コラム

「Buon Natale a tutti! 良いクリスマスを!」

karakimami

もうすぐクリスマス、イタリア語ではNatale(ナターレと読む)と言い、語源はラテン語で“誕生”を意味する“nato”、すなわちイエス・キリストの生誕を意味するのです。だからプレゼーピオ(イエスが生まれた情景を模した模型)が飾られるのですね。ケンタのチキンではありませんよ。

例年この時期はイタリア国民総出でクリスマス準備やプレゼントの用意に頭を悩ませます。新型コロナ前は自宅にシェフを呼んでクリスマス・ディナーを作ってもらうことが流行しつつあったのですが、コロナ到来と共にプチ贅沢は吹き飛んでしまいました。2022年withコロナの時代、12月16日に更新された感染者数によると、新規感染者は174,652人、死者719人(Il sole 24oreから)となっています。検査に行く人が今やどれほどいるか分からないので実数を反映した数字かどうかは疑わしいですけれど。コロナではなく経済政策、インフレ、寒さ対策が国民の目下一番の関心事だからです。ワールドカップ期間中、不参加のイタリアでは政府の経済対策について連日大きく報道されていました。コンテ政権時に導入されたベーシックインカム(日本の生活保護に似ている)も給付条件が厳しくなり、左派系メディアから不満が出ています。もっともメローニ政権にとって最大の問題は「政府が貧乏なこと」とまで言われている状況ですから、そもそも財源が怪しいベーシックインカムは次第に縮小・廃止の運命にあるのではないかと思います。メローニ首相自身もイタリア同胞党結成10年の記念パーティで「世論を気にするよりGDPを増やすことに関心がある」と明言していますしね。

こうした中で迎える2022年ナターレ、Codacons(消費者権利と環境保護協会)がイタリア国内で食品やアルコール飲料、さらに衣類やレストランが最も値上がりしている市町村を調査しました。国立統計研究所や消費者協会のデータを活用した結果、栄えある1位に輝いたのは南部カラブリア州のコゼンツァ、食品価格が昨年同時期に比べて17,4%上がっていることが理由です。2位にオルビア(サルデーニャ島)、3位カターニア(シチリア島)、グロッセート(トスカーナ州)、ヴィテルボ(ラツィオ州)、マチェラータ(マルケ州)、ピストイア(トスカーナ州)と続きます。またアルコール飲料が10,2%値上がりしたところはグロッセートとリヴォルノ(トスカーナ州)、+9,9%のモデナ(エミリア・ロマーニャ州)、+9,8%のアヴェッリーノ(カンパーニア州)。衣類の値上がりで最も激しいのは+8,3%のインペリア(リグーリア州)、続いて+7%のベッルーノ(ヴェネト州)、+6,8%のピアチェンツァ(エミリア・ロマーニャ州)。クリスマスや年始にレストランに出かける人にとって、最も痛い出費になる所はヴィテルボ、昨年比で12,4%の値上がりだから。続いて+11%のコゼンツァ、+10,5%のトレント(トレンティーノ=アルト・アディジェ州)となっています。

クリスマスと言えばプレゼント、家族や友達とプレゼント交換は楽しいものです。12月4日のTrend onlineにはこうあります。

「日を追うごとにXmasが近づき、それにつれてクリスマス・ショッピングの狂乱も訪れます。まだまだ買わなければいけないプレゼントは山とあり、あなたが大事な友達(この記事は女友達を想定)への心のこもったプレゼントに頭を悩ませてないわけはありません。電気やガス代や生活費が予想をはるかに超えて値上がりする今、親友のためとはいえ“ロープライス”プレゼントを探しているのは皆同じ。このような状況を踏まえれば、大事な友人の性格と興味に合致するように念入りに選んだ小さなプレゼントに勝るものはないでしょう…(中略)

“ロープライス”プレゼントの候補は3種類:クリスマス用コスメセットや口紅などコスメ類、マグカップやアロマキャンドルなどの雑貨、tシャツやアクセサリーなどのファッション小物…(中略)

ひょっとして流行の雑貨屋でロープライスのショルダーバッグや小さなポシェットが見つかるかもしれません。さあ、どうです?友達用に10€(約1,400円)以下のプレゼントを探すのは難しくないのです!」(trendo-online.com)

プレゼントと言えば、ネットで買う人やブラックフライデーでサクッと買ってしまう人が爆増でしているので、そのうち“人込みの中大きな荷物を抱えてショップをはしごするクリスマス・ショッピングの狂乱”は昔ばなしになってしまうかもしれません。ところで話は変わりますが、今年はセントラルヒーティングの室温設定19度(例年は20度)と政府決定があり(違反者には罰金がある…らしい。どうやって調べて罰金を課すのか謎多し)普段から寒い上にさらに寒い冬の対策にMeteo.it(気象予報HP)が勧めているのが電気ブランケット。日本人から見て以外なのは湯たんぽやカイロは活用する人がかなり少ないことですね。とはいえ発熱系のベストやジャケット、スキー用手袋、靴下などはあります。Amazonで見るとそれぞれの価格は発熱ブランケット80€(約1万1,000円)、手袋100€(約1万4千円)から179€(約2万5千円)、靴下は60€(約8,400円)、ベストは50€(約7千円)~100€(約1万4千円)、ジャケットは125€(17,500円)、中にはスマホで操作できるものもあり、価格を無視すればもらった人が大喜びすること請け合いの良いプレゼントではないかと勝手に考えてみました。

さて、2022年のコラムの更新は今回が最後です。今年も何となく思いつくままにイタリア情報を発信してきましたが、拙い私の翻訳にお付き合いいただきどうもありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいたします。良いお年を。

I migliore auguri per un felice anno nuovo!(幸せな新年になりますように!)

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