コラム

「ロシアのウクライナ軍事侵攻についてイタリアで報道されていること」

karakimami

  2月24日ロシアがウクライナに侵攻して4日、EUは初めてウクライナに武器を購入するための融資を行うことを決定しました。スウェーデンは独自に対戦車兵器5000個を供給し、イギリスは志願兵をウクライナに送ることを検討中と報道されています。27日までに最低30万人がウクライナから脱出したようですが、今後数日間でかつてない数になると見られ、EUは受け入れを決定しています。27日イタリアのトリエステとピアチェンツァにも女性と子供を乗せた最初のバスが到着しました。ウクライナ国境には車や徒歩で非難する人達の長蛇の列が20km以上にわたってできています。

 EUとアメリカはSwiftからロシアを排除することに合意し月曜日から施行されますが、多くの専門家はこの制裁の効果に懐疑的です。ロシアの幾つかの銀行が対象外になっているからです。この制裁が決まるまでイタリア、ドイツ、ハンガリーなどの国はロシアに対して弱腰と非難されていました。特にドイツとイタリアはロシアから最もガスの供給を受けている点が煮え切らない態度の大きな要因であることは間違いないでしょうが、2国がようやく重い腰を上げたおかげ?で制裁措置が月曜日に発動される見込みです。EUは天然ガスをロシアから購入しているのですが、Swiftからロシアを排除するとシンプルに言えば代金の支払いに支障が出ることが予想されるため、EUにとっても大きな痛みを伴う制裁になるでしょう。

 一方ロシアでも反戦集会が各地で開かれていて、中でもサンクトペテルブルクでは何百人もの人が集まりました。警察は反戦集会の参加者を逮捕しています、逮捕者の中には赤ちゃんを抱っこした若い女性やたった1枚ポスターを貼っただけで捕まった人も!平和を願う人たちの声がプーチンに届くことはあるのでしょうか。戦争が長引けば長引くほどロシアにとって不利になると言われていますが、一方で停戦交渉にウクライナのゼレンスキー大統領は悲観的と伝えられています。

 第1次、第2次大戦を経てヨーロッパで再び戦争が起きたことは非常に衝撃的です。イタリア政府は対ロシア防衛線のためにウクライナに軍3,400人を派遣する準備ができています。もちろん単独派兵ではなくNATO軍として行くわけですが、一部はすでにラトビアや、ルーマニアの海軍と空軍に派兵されています。政府として準備はしているようですが具体的な動きは今のところありません。

 ところでロシアに対する反感はスポーツ界でも如実に表れています。柔道以外にFIFAはIOCのガイドラインに従ってモスクワのサッカー代表チームの試合参加は認めるものの国旗と国歌は認めずRFU(ロシア・サッカー連盟)として中立の競技場でホーム戦のみという厳しい決定をしました。しかしポーランド、スウェーデンチェコ共和国のサッカー協会はロシアとの試合を拒否することを公式に表明しています。またフランス・サッカー協会は次のワールドカップからロシアを排除することに賛成しています。またUEFAはチャンピオンズリーグの決勝戦をサンクトペテルブルクからパリに変更し、F1は措置・グランプリをキャンセルしました。ウクライナのテニス選手エリナ・スビトリナは次回のトーナメントの賞金を「ウクライナ軍と国を守るために使う」とTwitterに投稿し、ウクライナの男子フェンシングのチームはカイロで行われている世界戦でロシア・チームと対戦することを拒否しました。

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