コラム

「バレンタインデー」

karakimami

 2月14日はお菓子メーカーの陰謀であるバレンタインデーでしたね。最近の流行は義理チョコや友チョコではなくマイチョコとか。自分へのご褒美チョコだったらもはやバレンタインなんて要らない気が…

 さて1月末コルディレッティのサイトにこんな記事が載りました。小規模農家が集まるイタリア最大の農業組合コルディレッティが危機感をもって報じているところによると:

「バレンタインデー、光熱費50%増で花よさらば」

 2022年は温室を温める暖房費が50%値上がりしたためイタリア産の花がない最初のバレンタインデーになるかもしれない。新型コロナによるパンデミックで花の消費が落ち込み、バレンタインデーは花卉の需要復活のためのまたとない機会と期待されるものの、相次ぐ光熱費の値上げが邪魔をする可能性がある。温室の暖房費以外にも様々な機械設備を動かすための燃料や肥料、鉢、紙までが値上がりしている。尿素肥料は1トン350€から850€に(143%増)、ピート20%増、プラスチックの鉢72%増、ガラスのフラワーベース40%増、紙31%増とありとあらゆるものが値上がりした…(中略)

 国産の花卉が市場から姿を消すという事は外国産の花卉輸入にとって絶好のチャンスであり、事実2021年外国産の花が20%も増えた。国立統計研究所のデータによると1月から10月までの数字を基にしている。国産花卉不在を突いて低賃金で労働者の権利が守られていないケニアのバラや女性にペナルティが課されるコロンビアの花がイタリア国内に流入している。

 したがって国内経済が困難な時期にあって国産の花を購入することは重要であり、それは産地や生産者ひいては雇用や領土を支えることになる。

(訳ここまで)

ということで実際バレンタインデーに何が起きたか見てみましょう。同じくコルディレッティの調査によると新型コロナのパンデミックで落ち込んでいた外食産業にとって恵みの雨ともいえる、530万人が外食しました。レストランやトラットリア、アグリツーリズムなど総合しての数字ですけれど外食産業全体で概算2億€の収入になったようです。中でもアグリツーリズムは人気で大盛況でした。イタリアの昨日の新規感染者5万8334人、死者281人で感染ピークを越え徐々にノーマルに戻り始めているとはいえ、感染リスクを忘れて緑豊かな田舎で現地の料理に舌鼓を打つ方が好まれたのではないでしょうか。

 肝心の花どうだったかというと、イタリア人の約半数(53%)が花を恋人に送りましたとさ。2月の調査では50%増がかなり緩和して30%増になったのですが、何れにせよ値上がりしたにも関わらず、やはり恋には花が必要なのですね。それが人情というものでしょう。   話変わって3月8日は国際婦人デー、イタリアではFesta delle donne(女性の日)と言います。この日にミモザの花を贈るのが習慣ですが、気候変動が原因で今年はミモザの開花が2か月早まるかもしれないと予報がありました。黄色いフワフワしたミモザの花が街中一杯に溢れる様子がとても魅力的なのですけれど、今年は輸入ミモザ?で気分を味わうのかな。気候変動によりイタリアでは旱魃に関するニュースが多くなっています。昨夏はシチリアで大規模な旱魃&山火事が起きました。今年はどうなるか、心配ですね。

ではまた

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