コラム

「ウクライナ避難民相手の新ビジネス&ローマが舞台のお馴染み麻薬の密売」

karakimami

 今回は世の中が不穏になると犯罪者にとっては好都合だということが分かるニュースがいろいろあったので少しご紹介しましょう。

⑴ 3月25日のニュースなので少し古いですが、ポーランドのプシェミシルとコルチョバにあるウクライナ避難民収容センターからこのような話が伝わってきました。

「最高200€で安全な避難路を通ることができるが、女性だけの場合行方不明になっている。Mediterranea Saving Humans協会のSafe passage in Ukraina隊がイタリアに運んだ避難民の数は177人で、多くが母と子供の家族だが夫婦や国籍が異なる人たち(ウクライナ、ロシア、ウズベキスタン、ジョージア、イタリア、エクアドル、コロンビア)もいる。 (中略) 同協会はポーランドとウクライナの国境の町プシェミシルとコルチョバの避難民センターとウクライナのリヴィウで活動している。イタリアに向けて避難民を乗せたバス3台とバン6台が出発したところである。このセンターの外に“お金を払えば安全な場所に安全に避難できる”ことを謳い文句にバスやバンの運転手たちが集う。協会によると一人分の費用は140~200€(子供付きだと200€)。戦争が始まって1カ月、今避難する人達の多くは行く当てがなく外国に避難できる親戚がいない貧しい人たちだ。皆が払えるわけではなく、徒歩で国境まで行き、そこからポーランド軍が収容センターまで運ぶ。だがそこでもまた“有料の渡し守”が待ち構えている。特にプシェミシルの収容センターに多い…」

(訳ここまで)

 因みにアフリカからのボートや小さな漁船でヨーロッパ大陸を目指す難民は、このような難民ビジネスによるものです。戦争が始まった事で同じことがウクライナ国境で起きているのです。

⑵ 農業にも犯罪組織の手が伸びている事をコルディレッティが報告しています。昔からあることですが、産地偽装のワインや食品などイタリアが自負する「Made in Italy」のクオリティが脅かされていること。またマフィア絡みの卸売業者や輸送業者を使うことを強要されることがあります。新型コロナ禍前からの酷い経済危機の影響で資本不足に陥った農家に融資する代わりにマフィア指定の業者を使うことを強いられるのです。

⑶ 2019年カジリーノでドラッグ140キロが押収される大掛かりな逮捕劇がありました。イタリアの警察やカラビニエリは長年組織犯罪と対峙しているので、この点では豊富な経験と対策に長じているのです。大規模な逮捕に踏み切る前に綿密な調査と準備をするのが一般的です。ここでは2019年の逮捕劇の話がされています。この類のことは不景気や戦争に関わらず常にあるのですけれど、なかなか面白いので訳しました。

『4つの麻薬密売組織がローマを分割して仕切る:ドラッグ1トン当たり100万€投資』

 4つの麻薬密売組織がローマを4分割して仕切っている。大麻1トンの取引に通常100万€(約1億3590万円)投資する。こうした密売が盛んな地域はルスティカRustica、チェントチェッレCentocelle、カジリーノCasilino、チネチッタCinecittà、トール・ベッラ・モナカTor Bella Monaca、カステッリ・ロマーニCastelli Romaniだ。  ローマ東部の犯罪は「密売、拷問、恐喝、武装して待ち伏せ」だが、これはローマの他の地域にもそっくり当てはまる。同盟を結ぶ4つの強力な犯罪組織はローマ&都市圏販売用ドラッグ1トンを100€で買い付けた。僅か数日で500€が犯罪組織の懐に入ると見込まれる仕事だ。ルスティカからトール・ベッラ・モナカを経由してトゥスコラーノやカステッリ・ロマーニまで広がる販売網。

 「おばさん、ローマ全体で俺たち(密売組織)は4つあるよ。それで何か来たら… 俺の担当地域はここら辺(ルスティカ、トール・サピエンツァなど)で、ダチはローマ南部とカステッリ、別のダチはチネチッタとか。だからブツが届いたら足りないものはない、準備万端よ。」ルスティカの麻薬カルテルの様々な国籍の売人や問屋や仲介業者がびっしり詰まった濃~い分布図を語るのはダニエレ・カルモスティ、伯母チェチリア・レオと妻ロミーナ・ファロチとの電話が盗聴されて逮捕された(逮捕者は彼以外に13人)。

 《ドラッグはモロッコから直接運ばれる》

 モロッコとスペインのブローカーと直接連絡を取り、麻薬を積載したモーターボートで海路で国境を超えるためにモロッコ警備隊を買収する。「買収とボート用に30万€(約408万円)渡した。有力なファミリー、モロッコ警備隊共に賄賂を受け取るがグアルディア・シビル(スペインの治安警備隊)は受け取らない。」これはウンベルト・マンチーニ、ダニエレ・ファッブリーニ、ダニーロ・リーヴィ、ダニエレ・カルロモスティ、ファビオ・パッラグロージ、フェデリコ・ロゼッティの間で交わされた会話を傍受したものであるが、この中でモロッコ当局が如何に簡単に買収に応じること、反対にスペインのグアルディア・シビルの反買収性が際立つ。

 「ポッリーネ」とも呼ばれる「カルダーラ-アルダーラ」に分類される最高級大麻はローマ・マーケットでキロ当たり3,000€(約40万7800円)で売られているが、モロッコの有力な麻薬密売ファミリーからしか手に入らない。モロッコの“ファミリー”はスペインまで海路を使い、スペインからはトラックでイタリア、ローマまで商品を運ばせる。組織が手配する運転手の報酬は1回の旅毎に15,000€(約204万円)である。北アフリカにスパイを送り込んでいるにもかかわらず、組織のボスたちはとても警戒心が強く、積荷に最低品質の“ハッパ”をひょっとして忍び込ませているかもしれない卸売り業者に騙されることを恐れている。そうだな、お前は、お前が壊す最初の小板で分かるよ、上にある小板がお前に向かって粉々に割れる時、それはブツが古いということをことだ。」

(訳ここまで)

 ここまで読んでお腹いっぱいといったところでしょうか?それにしても難民ビジネスやマフィアが跋扈する世界が一日も早く変わることを願ってやみません。

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