「ナポリのNato軍基地に入り込んだ現代版マタ・ハリ」

「ナポリのNato軍基地に入り込んだ現代版マタ・ハリ」

イタリアでは来月25日に行われる総選挙で次期首相が決まるので各新聞は連日選挙関係の報道一色になっています。そのような状況でラ・レプッブリカ紙が満を持してトップに掲載した独占記事が非常にセンセーショナルなので、ここではTGcom24の要約記事を訳してご紹介しましょう。

 「10年という歳月をかけてナポリのNato軍基地司令部に入り込んだロシアのスパイ」

 ジャーナリストの調査によって明らかになったスパイ(30歳、女)の本当の姿。「女スパイはナポリ上流階級の社交界に入り、大西洋同盟のトップレベルにまで入り込み、ナポリのNato軍基地とアメリカ第6艦隊のメンバーになっていたと思われる」と調査サイトBellingcatとドイツの週刊誌Der SpiegelとThe Insiderが行った調査の最後にレプッブリカ紙が書いている。調査人曰く、ロシアがイタリアに仕掛けた“最もセンセーショナルな諜報活動”の中心人物は一人の女だ。その名はマリア・アデラ・クーフェルト・リヴェラ(Maria Adela Kuhfeldt Rivera)、ペルー生まれ、ドイツ系の父を持つ。だがこの身元は偽物だ。本当の名前はオルガ・コロボワ(Olga Kolobova)、ロシア軍将校の娘だという。

レプッブリカ紙はこう断言する。 「モスクワのシークレット・サービスに繋がる最も有力な証拠はイタリア入国時に使ったロシアのパスポートでした。クレムリンの命令でロシア軍諜報活動Gruのスパイが使用した特製パスポートと同じ仕様です。私たちの調査では、どんな情報が盗まれたか不明で、スパイの周辺にいた友人たちのPCや電話にウイルスを仕掛けたかどうかも分かりません。でもスパイはNato軍とアメリカ海軍の主要人物と接触しました。これほど深く大西洋同盟に潜入することに成功したロシアのスパイは今までいません。」

レプッブリカ紙が書くところによると、スパイは“6か国語を話す気さくでコスモポリタンな30歳女性”でジュエリー製造会社を起業してナポリ上流社交界に入り、ついにはNato軍とアメリカ第6艦隊すなわち欧州の軍事力トップにまで入り込んだのだ。魅力的な仕草が人目を惹く“現代版マタ・ハリ”は姿を消す前に恋人たちの心に一筋の傷を付けていった。

彼女は“展覧会のオープニングとイベントに明け暮れる市民の生活”に身を置き、大勢の人を迎える“コンセプト・ギャラリー”を始めた。ナポリのライオンズクラブ(ラーゴ・パトリアにあるNato軍基地の将校たちによって設立、ロゴはナポリ統連合軍司令部のシンボルを使用)に入ることに成功した。同クラブのメンバーは実質的に全て軍人で、彼らの職場は大西洋同盟かアメリカ第6艦隊である。Nato軍の任務と欧州におけるアメリカ海軍の活動を指揮する人達が狙いだった。

ライオンズクラブはスパイが待ち構える完璧な蜘蛛の巣で、蜘蛛女は多くのNato軍将校を捕まえて広大な人間関係を作り上げた。調査ではスパイが実際にNato軍基地やアメリカ軍の司令部に入り込んだかどうかは分からなかったが、いくつかの式典(毎年恒例のNato軍ダンスパーティー、海兵隊のダンスパーティー、チャリティー・イブニング・パーティーなど)に彼女がいたというかなり確かな痕跡がある。その後2018年に不意に姿を消した。女はモスクワに向けて旅立ち、二度と姿を現さなかった。

(訳ここまで)

 実は今回の総選挙でも北部同盟(党首のサルヴィーニはプーチンと友好関係にある)はロシアの影響が疑われる報道がありました。地政学的理由でイタリア以外にも欧州では陰に陽にロシアの影がちらつくのは仕方ないと思いますが10年もスパイ生活を続けるというのはどんな気持ちなのか想像もできません。

問題の女性と懇意にしていたコスモポリタンの元編集長マルセル・ダルシ・スミスは「彼女は私にとっては姉妹同然。私の周囲は皆、彼女のお金はどこから来たのかしらって言っていたのよ。彼女の魅力に屈しない男はいなかった…」と証言しています。そしてこの元編集長が電話で話した際、女スパイはウクライナを罵倒して、その後連絡が付かなくなったということでした。007映画さながらに女スパイに翻弄された男たちは今どんな気持ちなのか、ふとそんなことを考えてしまいました。

では

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