8月15日はFerragosto(聖母被昇天祭)、クリスマスや復活祭と並ぶカトリックの三大行事の一つですね。イタリアでも近年は天候不順で猛暑、旱魃、豪雨、大型台風と日本同様夏は本当に大変です。川の水源が枯渇し水枯れなども起きることがあります。日本同様、恵みの夏から地獄の夏に変わりつつあるのでしょうか…
新型コロナの一日の感染者、昨日は574人でした(死者3人)。増減を繰り返しているのでソーシャルディスタンス完全撤廃はまだ遠いようです。秋から学校も再開される予定ですが、どのような形になるか盛んに議論されています。新型コロナ前イタリアでは教師の待遇が悪く、教育改革の一環として教師の待遇改善も議論されていましたが、先日教師の臨時採用を大幅に増員することが発表されました。現在の社会状況を鑑みて本来の問題である待遇改善は棚上げと言った状況ですね。
さて、連日の暑さで溶けてしまいそうなので夏バテに勝つように美味しいイタリア料理のレシピを訳しました。今回は聖母被昇天祭のランチや夏の御馳走がテーマの記事(DM誌)で紹介されていた30のレシピから個人的独断と偏見で聖母被昇天祭のpasta chijnaを選びました。是非参考になさってください。
《 聖母被昇天祭のpasta chijna》
日曜日あるいは祝祭の御馳走の定番であるこの料理は、カラブリア州の郷土料理。カラブリアでは“pasta chijna”あるいは“pasta ripiena”という名前で親しまれています。 このレシピで6人分、作り方は至ってシンプルですが、ちょっと手間がかかるかも。
(材料)
セモリナ粉(硬質小麦)のパスタ 400グラム(リガトーニ、トルティリオーニ、パッケリなどが良い)
リコッタチーズ 150グラム
豚ひき肉 120グラム
子牛ひき肉 120グラム
カチョカヴァッロ 100グラム
カラブリアのサルシッチャ 80グラム
卵 3個(生卵1個、ゆで卵2個)
ペコリーノチーズ スプーン6杯
小麦粉 スプーン4杯
パセリ スプーン1杯
古くなって固くなったパン 一掴み(パン粉でも代用できるが、イタリアでは古くなって固くなったパンを利用する。パンがかびることなく乾燥して固くなるので、すりおろし器ですりおろし、パン粉にする。)
ホール・ミルク適宜
ナツメグ適宜
エクストラヴァージンオリーヴオイル適宜
ピーナツオイル適宜
塩、胡椒 適宜
(作り方)
① 豚ひき肉120グラム、子牛ひき肉、あらかじめミルクに浸して柔らかくした堅パンの柔らかい部分のパンくず一掴み(しっかり水気を切ること)、すりおろしたペコリーノチーズ スプーン2杯、細かく刻んだパセリ スプーン1杯、新鮮な卵1個、パウダー状にしたナツメグ、塩、胡椒をミキサーに入れて均質になるまでよく混ぜて、ヘーゼルナッツ大の大きさの団子(poletta)を作る。小麦粉をまぶして、ピーナッツオイルで揚げる。
② セモリナ粉(硬質小麦)のパスタを生煮えにして(茹で時間の半分強の時間)、リガトーニのようにソースを良く吸収するような状態にしておく。ゆで汁を捨てて冷水に入れて、冷ましたら水気をよく切り、ボールに入れてブラチョーラ(別名ブラショーラ、もともとは南部バーリの伝統料理、トマトソースで味付けたインヴォルティーニ)の肉汁と混ぜる。
③ エクストラヴァージンオリーヴオイルを底が深い耐熱容器に塗って、生煮えパスタ三分の一を敷き詰め、その上に固ゆで卵のスライス(1個分)と団子(半分量)、ピリッとしたカラブリアのサルシッチャ(スライスしたもの)少量を並べて、リコッタチーズ、カチョカヴァッロの薄切り、残ったリコッタチーズを全体に散らす。その上にパスタの層(三分の一量)をまた一段作り同様の手順を繰り返す。さらにその上に残ったパスタを被せてペコリーノチーズをまぶす。180度に熱したオーヴンで35~40分焼く。
ここで出てくるカラブリアのブラチョーラ、良い機会なので作り方を勉強しましょう。
(材料)
豚の腰肉の薄切り12枚、
新鮮なサルシッチャの中身を出してペースト状にしたもの200グラム、
白ワイン カップ1杯、
すりおろしたペコリーノチーズ スプーン2杯、
牛乳に浸して柔らかくした堅パン1切れ(厚切り)、
ニンニク 半片、
オレガノ 小枝1本、
パセリ 小枝5~6本、
玉ねぎ 1個、
湯むきしたトマト 800グラム、
ローズマリー 小枝1本、
エクストラヴァージンオリーヴオイル、塩、胡椒 適宜。
(作り方)
① サルシッチャのペースト200グラム、柔らかくした堅パン一切れ、ペコリーノチーズ スプーン2杯、塩、胡椒、パセリ スプーン1杯、細かく刻んだニンニクを混ぜる。豚 肉で巻いて、爪楊枝でとめて小さなソーセージ形にする(肉巻きにする)。
② オリーヴオイルで玉ねぎのみじん切りを炒めて、細かく刻んだトマト800グラムを 加えて30分弱火で煮る。
③ フライパンにオリーヴオイルを少量引いて温め、ブラチョーラをまんべんなく炒めて、 白ワインをかける。刻んだローズマリー少量、枝から外したオレガノの葉を加えたトマ トのソースをかけて15分間煮る。残った刻んだパセリを最後に散らす。
(訳ここまで)
美味しそうですよね。この料理は前日から用意する場合もあって手間はかかりますが、カラブリアでは祝日のマストの一品で間違いありません。
最後に同記事にあった飲み物とデザートをご紹介します。
《ミント風味のモモとアンズのサングリア(4人分) 》
(材料)
デミセッコ・スプマンテ 750ml.
モモのリキュール スプーン3杯
アンズ 4個
白桃 2個
黄桃 2個
ミント 2房
(作り方)
① 洗って種を除いたモモとアンズを半分に切り、薄切りにする。この作業はボールを下に置いて行うこと(まな板を使わない)。そうすればあふれ出る果汁を取りこぼさないで済む。
② 良く冷やしたカラフェに切った果物と果汁、リキュールとスプマンテを入れる。ミントで風味を付けて(量は適宜)冷蔵庫で良く冷やしてテーブルに出す。
《レモンのゼリー 》
(材料)
皮付きレモン 8個
砂糖 220グラム
浮き粉(小麦粉のでんぷん) 100グラム
ミネラルウォーター 1リットル
随意でアーモンドオイル適宜
(作り方)
① レモンは丁寧に洗って乾かす。ナイフで皮をむいて(黄色い部分のみ)1リットルのミネラルウォーターに浸して一日置いたあと濾す。時間がない場合は皮とミネラルウォーターをミキサーにかけたあと目の細かい布で濾す。
② 冷やしたレモン水に浮き粉80グラムを溶かす。精製砂糖220グラムを加えてキャセロールに移し火にかける。木のスプーンでかき混ぜながら煮る。
③ クリーム状に煮詰まったら少し水で濡らしたクリームキャラメル用(15デシリットル用)の型に注ぐ。数時間冷蔵庫に入れて冷やす、一晩冷蔵庫で冷ますのが理想的。型抜きを簡単にするためにあらかじめアーモンドオイルを型に塗っておくと良い。
④ デザート用の皿にゼリーを逆さにして型から抜く。好みでジャスミンの花を飾りに添えてテーブルに出す。
いかがですか?本当においしそう。夏バテで溶けている場合ではありませんね。