コラム

「イタリアの大麻事情と心身の疲労、5月1日の大コンサート」

karakimami

 既報ですがイタリアは5月4日から社会活動の再開に向けて規制緩和を始めます。5月1日の感染者は1,965人、治癒者2,304人、死者269人で、死者や重症者がピーク時に比べて大幅に減る一方治癒者数が多くなっています。もちろん楽観視できる状況ではないので各メディアも慎重な対応を政府に求めています。

 しかし、ピーク時には政府と歩調を揃えていた各州の対応にばらつきが見られるようになってきました。最も極端な例としては南部カラブリア州でバール、レストラン、ピッツェリアなど飲食店の営業再開を早々に決定した事です。もちろんこれ、政府方針に面と向かって喧嘩を売るようなもので、報道された2日前は各紙トップ扱いでした。営業再開とはいっても路上のテーブルを出して、営業時間も大幅に短縮するという条件が付いているのですけれどね。その他工場など一足早く操業を再開させているところもちらほら見られ、2か月間の営業停止を取り戻そうと逸る気持ちが良く分かります。ペットのグルーミングなどを行うペットサロンの営業再開は6月1日から、でもローマのあるサロンのオーナーは27日から店のドアと自身を鎖でつないで抗議活動を展開しています。飼い主からペットを預かってケアして飼い主に返すという、対人接触時間は僅かなのにどうして6月1日まで待たなければいけないのか納得がいかないとか。鎖につながれて路上生活は食事以外にこの時期に重要な清潔さを維持することが困難そうで大変ですね。

 今や全体の半数以上(63%)のイタリア人が武漢ウイルスのストレスで不眠と鬱に悩まされています。その中の43%はかつてないほど極度に重い症状だとか。著名な心理療法士アレッサンドラ・ランチェロッティは“不眠、頭痛、胃を悪くする、不安、パニック、落ち込む”などの症状に悩まされているイタリア人が激増していると警笛を鳴らしています。彼女曰く“先の見通しが立たない”ことが原因で、不意に中断された状態で居続けることに人間は慣れていないからだとか。「動いていた社会が石のように固まり、先が見えない。人々はどうして良いかわからず、愛するものとは遠く離れ、私たちは凍り付いた海にいるようなものです。明るい未来がない迷子の状態。」と説明します。他の専門家は「100年前のスペイン風邪の時は感染が広まるまで時間がかかりましたが、SARSやMERSといった現代の感染症の拡散スピードはもっと速いですから私たちは前例のない事態にいるわけです」だとか。心の安定を求めているのか、イタリアの大麻の売り上げは3倍に増えました。不法大麻の入手がロックダウン後に難しくなったので合法大麻の“ご自宅にお届けサービス”利用者が急増しています。イタリアだけではありません、アムステルダムではやむなくコーヒーショップを再開し、アメリカでは大麻マーケットは2倍の伸び、5つの国が大麻は“生活に不可欠の要素”だと表明しました。素朴な疑問ですが大麻をきっかけに違法ドラッグを求める人が今後増えるのではないでしょうか?薬の効果で心の平安を得る、いつまで合法大麻だけで満足できるでしょうか。複数の専門家が指摘しているように武漢ウイルスの感染津波は複数回あることが予想されます、もし今回よりもっと酷い事態が起きたら…

 1990年から毎年開催されている“Concerto del Primo Maggio 5月1日大コンサート”は夜8時からローマのサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ広場から始まり、今年はヴィットリエ劇場に移動して開催されました(例年だとサン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ広場での屋外コンサート)。キャストはGianna Nanniniジャンナ・ナンニーニ、Vasco Rossiヴァスコ・ロッシ、Zuccheroズッケロ、海外からはPatti Smithパティ・スミスとStingスティングが参加し自宅やスタジオからのライブ中継で行われました。

ジャンナ・ナンニーニはミラノの自宅のテラスからピアノを弾きながら夕陽を浴びて熱唱、非現実的で郷愁に満ちています。映像はコチラ。

https://www.youtube.com/watch?v=id3Qcy6qSrU

ヴァスコ・ロッシはRai3から参加。「今俺たちはソーシャルディスタンスの中でそれぞれ一人ぼっちだ、だから想像で君たちをハグしてる。情けないよな、社会が崩壊しそうに思えるんだから。俺たちにとって触れ合うことは必要だから、これはかなりのキツイけど体を離せって呼びかけあうべきなんだろうな… 一緒に祝うことも、相手に触ったりハグすることもできない、だから心の中でハグしている、愛を込めて。一日も早く本当にハグできるように。」とは彼のメッセージ。映像はコチラ

ズッケロの映像はコチラ。もちろんこれはTVショーの映像。「俺みたいに年がら年中家を留守にしている人間にとって家にいるのはキツイよ。普通は家に2~3か月しかいないけど、1年も家にいなくちゃいけないかもしれなくなったらどうしていいのやら…」笑いを誘う冗談の後は、ショービジネス関係者の窮状を真面目に訴えました。最後は「一日も早くツアーに戻れることを祈ってる、歩いてでもいいから…」

https://www.youtube.com/watch?v=QaRfwx8pj2c

それではまた

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