以前に書いた通り北部同盟の党是は南部切り捨て・中北部独立というもので、実際に最近行われた地方選挙でも北部は北部同盟の地盤と言えましょう。北部と南部の経済格差は大きく、北部での税収が南部への補助金に回されていることに北部の住民は不満があります。北部同盟の党首サルヴィーニ氏が副首相に就任以降、マッタレッラ大統領は不賛成ながら国連の難民救助船を寄港させない決定をするなど民主党政権時代と大きく変わっています。難民問題は連日紙面を賑わせていますが、これ以外に子供たちへの予防接種に疑問を呈する(保健省から猛抗議を受けた)、ジプシーの調査を行って戸籍を作るなど、サルヴィーニ副首相は実に勤勉に働いています。
一方五つ星運動党の党首ディ・マイオ氏は副首相就任後イタリア版働き方改革に着手し、店舗の日曜営業に反対し、労働者の勤務時間も大きく規制する方針を打ち出しています。不定期に働かざるを得ない一部の業界は非常な危機感を持って抗議しています。
さて、このような改革がどのような結果をもたらすのか。数日前にAnsa通信に掲載されたイタリア各地の給与額の差が縮まるのか、あるいは全体的に底上げされるのか。giallo-verde政権(黄色‐緑政権の意味、北部同盟と五つ星運動、2党のシンボルカラーをもじって付けられた通称)を国民の信頼を得られるのは経済を上向かせられるかどうかです。
『給与、ボルツァーノが最も高く、ラグーサは最低』
ボルツァーノ(トレンティーノ・アルト・アディジェ州)のサラリーマンの給与の封筒はイタリア国内で最も重く、2018年の平均給与額は1,500€(約193,000円)で前回の調査時1,476€と比べて増えている。続いてヴァレーゼ(ロンバルディア州)の1,459€(2017年1,471€)、ボローニャ(エミリア=マーニャ州)の1,446€(2017年1,424€)と続く。これはOsservatorio dei consulenti del lavoro(労務コンサルタントの定期観測報告書)の2018年度州別レポートに書かれている。
南部の状況は悪く、最低のラグーサ(シチリア州)の平均給与は1,059€(約136,000円、2017年は1,070€)で、平均給与が最も高い県はベネヴェント県(カンパーニア州)で1,288€(166,000円)だった。 最高額の給与との“ギャップ”を分析すると、アンコーナ県がマイナス9,7%に対しヴィテルボ県はマイナス40,4%という結果が得られた。さらに全般的に男女間に違いはなく、2018年のシチリアの労働者の給与はボルツァーノの労働者の給与と比較して30%以上(441€)低い。
(訳ここまで)
来年の同レポートが楽しみですね。