日本のクリスマスはお祭り気分で24日が最高に盛り上がります。イタリアではクリスマスプレゼントの交換は家族だけでなく友人たちと行います。ですからクリスマスの準備はいつも節約と出費の間を忙しく往復することになるわけですね。
さてクリスマスは家族と教会に行き、和やかで暖かい家族団らんの雰囲気のなかでキリスト生誕を祝うのに比べて、聖ステファノの日は友人とお祝いします。
キリスト教徒以外ではあまり馴染みがありませんが、聖ステファノはどのような聖人なのでしょうか。
聖ステファノ(生年不詳-エルサレム36年没)はユダヤ人で、使徒の布教を助けるためにキリスト教共同体によって選出された7人の助祭の最初の人でした。カトリック教会と東方正教会から崇拝され、カトリックや一部のプロテスタントでは12月26日、東方正教会では12月27日にお祝いします。彼は福音書の布教とキリストへの信仰のために命をささげた最初の殉教者でした。彼の殉教は使徒行伝に記されています。また彼が石打ちの刑で殺されるとき、改心する前の使徒パオロもその場にいたといわれています。
聖ステファノの日が欠かさずにお祝いされるのは、彼が最初の殉教者だから・・・というわけではなく、クリスマスの次の日だからお祝いついで・・・というわけです。
イタリア以外の国ではオーストリア、ドイツ、アイルランド、デンマーク、スペインのカタルーニャ自治州、クロアチア、セルビア、モンテネグロ、ルーマニアで祝われます。
ところで聖人というのはイタリアではとても身近です。カトリックでは毎日が、現在に至るまで幾世紀ものあいだ信仰に身を捧げた数多くの聖人や福者を記念するメモリー・デーになっていて、これは日々の信仰を助けるため、あるいは聖人や福者の精神や人生、歴史などを想起するために設けられたものなのです。もっとも12月25日はもちろん Gesu’ Cristo イエス・キリストですが。
また場所にも必ず守護聖人がいます。例えばローマの守護聖人は S. Pietro と S. Paolo でこの二人の守護聖人の記念日は6月29日、この日ローマは休日になります。ヴェネツィアの守護聖人は S. Marco Evangelista (紀元後68年4月25日没)で、11月21日が記念日になります。それではイタリアの守護聖人は誰でしょう?-シエナの S. Caterina 聖カテリーナです。
聖カテリーナ( Caterina Benincasa カテリーナ・ベニンカーザ)はトスカーナ州のシエナに1347年3月25日生まれ、1380年4月29日に亡くなりました。法王ピオII世によって1461年列聖され、1970年法王パオロ6世から教会博士の称号を贈られました。ヨーロッパとヴァレッツェの守護聖人でもあります。
聖カテリーナについてはまた機会を改めて取り上げましょう。
さて、今年のクリスマスはいかがでしたか?
Tanti auguri!