①ではクリスマスの起源を中心に見てきましたが、時代は現代に移ります。
現在のイタリアではクリスマスというのはどのように受け止められ、また過ごされているか?
クラウディア先生にお話をうかがいました。
「私の故郷サルデニアやイタリアのほかの地域では、クリスマスは家族と過ごします。普段両親と遠く離れて暮らしている人も実家に帰ります。クリスマスは基本的には宗教的なお祭りなのですが、今日では”消費主義的” なお祭りになってしまいました。クリスマスの晩餐や昼餐のため、特にプレゼント!、を買うために人々は先を争って買い物をします。プレゼント交換は家族だけでなく友達たちともするのが普通です。(例えば私は20人ぐらいの人とプレゼントを交換するのよ!)
24日はクリスマスの最終プレゼントを買うため、あるいはクリスマスや特に24日の夜( vigilia di Natale 「クリスマス前夜」の意 )の晩餐に必要なものを買いに出かけます(日本の大晦日みたいですね)。 クリスマス前夜は家族と親戚で夕食を囲むので、大体10人以上になります。夕食のメニューは地域によって違いますが、どの地域でも Panettone (パネットーネ)や乾した果物(ナツメグ、イチジク、小さなハシバミの実、炒ったアーモンドなど)とヌガーは欠かせません。夕食が終わるのは夜11時ごろで、それから教会に行ってクリスマスのミサに参列します。他の多くの地域も同様ですけれど、私の故郷ではミサの前に Recita di Natale (「クリスマスの公演」の意、キリストが誕生した夜を上演すること)があります。ミサは夜中12時に終わり、それから後はキリストの生誕を盛大にお祝いします。
続く25日のクリスマスの昼餐は何時間も続きますよ!もちろん家族や親戚と一緒です(つまり10人以上ということですね)。いつも食事の最後にプレゼントを交換します。もっとも家族単位でのプレゼント交換になりますが。それからみんなでゲーム(カード、トンボラ、その他ファミリーゲームなど)をして、そしてTVを見ます。TVでは子供向けの映画や、アニメ、クリスマスの童話などを放送しています。
26日は、Santo Stefano 祭(聖ステファノの祝日、聖ステファノのキリスト教の最初の殉教者)です。この日もお店はお休みです。昼食には家族一緒に過ごしますが、夕食は友達と外食、あるいは友達の家に集まって夕食をとります。私の故郷では26日の夜にクリスマス・コンサートが教会で行われます。イタリア各地でこの時期にはクリスマス・コンサートが催されますね。夜には伝統的に映画を見に行きます、もっともみんなが行くわけではありませんけれど。
イタリアではクリスマスは恵まれない人々をみんなで助けようとする時期です。実際、たくさんのボランティアグループが貧しい家の子供たちにプレゼントを配ったり、ホームレスにクリスマスの晩餐や昼餐を用意したりします。
私にとって、そして他のカトリックたちにとってクリスマスは一年で一番大切な時期です。なぜならイエス・キリストが生まれた日なのですから!
日々の悩みを忘れて愛する家族や愛する人と心安らかに共に過ごすことができるこの時は、何にも替え難いすばらしいことなのです!」
古代とは大きく違う、けれども何とも素敵なクリスマスです。
さあ、私も心から申し上げたいと思います。
Buon Natale a tutti ! 「皆様に良いクリスマスを!」