Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

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唐木 麻美 )

「2022年初コラム-感染爆発や大統領選など-」

 2022年初めてのコラムになります。今年もよろしくお願いいたします。

 さて昨年感染者が増加し始めた当初、政府の保健機関では1月には一日の新規感染者が10万人を突破するかもしれないと危惧する声がありましたが、年末には早くもその数字を軽く超え、1月4日の感染者は17万844人、死者259人、陽性率は13,9%です。ワクチンのおかげで入院患者や重症者は少ないというものの、昨年4月以降最高の死者数となってしまいました。各地でブースター接種が進む一方、4日から米製薬会社メルクの飲み薬が政府から各州に配給され、ローマでは患者2人に投与されました。ワクチン済み証明書を欧州ではグリーン・パスと言います。今はそれを一段と厳しくしたスーパー・グリーン・パスが導入されていますが、現在政府は全労働者にスーパー・グリーン・パス携帯義務化と健康に問題がある人へのワクチン接種義務化案などを検討中です。

 “子供や若い世代は新型コロナに罹らない”は遠い昔のことになりつつあるのか、ペスカーラでは新型コロナに感染した新生児3人が乳児用集中治療室に入院しています(一人は退院済)。病院のドクターによるとパンデミックはじまって以来乳幼児が新型コロナで集中治療室に入院するのは初めての事例とか。赤ちゃんのうち一人は、出産前の検査では陰性だった母(後に陽性)から生まれた時点で既に感染していました。残る二人は親が感染者なので家庭内感染ですね。まったく嬉しくない話ですが、これからは世代関係なく感染するようになるかもしれません。

 集中治療室に入った赤ちゃんは本当に可哀そうですけれど、ヴェネツィアのミラ・ターリオでは全然同情できない事件が…二十歳の青年4人が家に集まって大晦日の夜に新年を祝うパーティーをしました。企画した青年は陽性で家族から隔離されていましたが、それを悪用してどうせ皆陽性だからと仲良し4人集まって楽しくどんちゃん騒ぎをしたのでした。あまりにもうるさかったので近隣の人たちが通報して発覚した次第です。若いというか、バカいというか…

 サッカー界でもクラスターが起きています。セリエAの3チーム、ウディネーゼ・カルチョ、エラス・ヴェローナFC、USサレルニターナ1919でクラスターがあり、感染者はチームスタッフなど含めて計80人に。20チーム中19チームで少なくとも一人以上の感染者が出ていますが、試合延期は今のところ想定していないということです。

 新年に相応しくない話題はここまで。昨年末から話題になっていますが、マッタレッラ大統領は2期目を辞退したので新年早々大統領選挙があります。1月24日に選挙が行われることが先日決まりました。議会や政府がかつてないほど混乱する中、大統領選挙は非公開で行われます。全ての国会議員、上院議員、及び各地域から代表3名が投票に参加(ヴァッレ・ダオスタを除く)するので、投票者は1,009人になります。最初の3回の投票では有効多数(673票)獲得しなければならず、4回目以降は絶対多数(505票)を獲得しなければいけません。

 それで、新大統領候補は?

 今のところはっきり分かっているのはシルヴィオ・ベルルスコーニただ一人。五つ星運動党やイタリア・ヴィーヴァ党は彼に投票しないことを早々に表明しています。秘密のベールに包まれた候補者リストには、議会の元議長のピエール・フェルディナンド・カジーニや憲法裁判間で元議長のジュリアーノ・アマート、EU委員会の委員であるパオロ・ジェンティローニやダヴィド・サッソリの名が挙がっていますが、いずれも噂の域を超えません。

 女性に関しては、常にも増して議会での存在感が増していると言われています。ベルルスコーニは大統領選に敗れた場合、上院議長候補にエリザベッタ・アルベルティ・カゼッラーティを推すようです。しかし最も有力な女性候補は法務大臣マルタ・カルダビアでしょう。彼女はダーク・ホースになるかもしれません。

 さて、新年早々もう一つ小さな変化が。1月3日から2€硬貨が流通しています。新硬貨に刻まれているのは、30年前マフィア(コーザ・ノストラ)の凶弾に倒れたジョヴァンニ・ファルコーネ検事とパオロ・ボルセッリーノ裁判官。車に仕掛けられたプラスチック爆弾で二人が殺された事件は映画化もされたのでイタリアで知らない人はいないと言っても過言ではありません。当コラムでも過去に取り上げた事件なので詳しくはそちらをお読みください。彼らの死後30年、二人を殺害した時が絶頂期だったコーザ・ノストラの勢いは衰え、今はカモッラや‘ンドランゲタが華々しく活躍?する時代になりました。主役が変わってもイタリアには常に犯罪組織があり、その存在感は変わることなく今後も続いていくのでしょう。イタリア人がどれほど嘆いても、世界に拡散するイタリアを代表するイメージの中に常にマフィアがあるのは変わりそうにないですね。

 それではまた。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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