コラム

「50歳を過ぎて性生活はどうなる?-イタリアではこのようなアドバイス」

karakimami

日本は概ね中年期以降の性に関することになるとあっさりしているようですが、アモーレの国などと評される所以か、イタリアでは心の結びつきと同じく体の結びつきも重要なわけです。ではそういったイタリア人に向けたイタリア国内のアドバイスはどういうものなのか、Corriere della sera紙の記事を見てみましょう。男女共にあてたアドバイスをぜひ参考にしてください。

『50歳を過ぎてセックスはどうなる?』

女性は更年期に入ります、一方以前は男性更年期と呼ばれていましたが男性には更年期は存在しません。人生のこの段階に至ってセックスに関係する肉体の変化の主なものは何でしょうか?サン・ラファエッレ病院IRCCS泌尿婦人科外来の責任者ステファノ・サルバトーレ医師とナポリのフェデリーコII大学の泌尿器科の正教授でイタリア泌尿器科協会の会長ヴィンチェンツォ・ミローネに尋ねました。

① 70歳かそれ以上まで性的な活動は続く

ここ数十年間で性行動は男性にとっても女性にとっても根本的に変化しました。現在では人々は70歳でも性的活動をし、それはほとんど規律のようになっています。50歳を過ぎた多くの人は、肉体的な変化の時期にあってパートナーとの親密な関係を続けることができなくなるのではないかと心配します。こういった心配は女性も男性もあり、回避することはできません。「生物学的な年齢は、今日では先祖たちの時代とはまったく異なっていて、70歳でも性活動を謳歌できるのです。さらに加齢による肉体的障害を可能な限り防いでくれる治療や治療用器具もあります。幾つかのケースにみられる問題はパートナーを得られるかどうか、という事にかかってくるのかもしれません。」とサルバトーレ医師は説明します。最近のオーストリアの研究では70歳の女性の半数が良好な性生活を送っていることが分かりました。

② 女性の最初の問題:乾燥

「更年期障害」は症状の一つとして片づけてはいけません。むしろ生理学的な出来事の一つと見なすべきです、女性の人生の第3期を占める出来事だからです。」とサルバトーレ医師は強調し、さらに続けて「更年期に入る中年期は、西洋では52~53歳にあたりますが、ホルモン補充療法を受けない女性の中には症状は2~3年後に現れることがあります。肉体に様々な不調がある場合もありますが、自身の想像に基づく体調不良ということもあります。」最も心配になる体調不良の一つに膣の乾燥があります。「更年期でホルモン補充療法を受けていない女性の70%にこれが見られます。」とサルバトーレ医師が説明します。エストロゲン不足が原因で潤滑駅の減少とともに組織が薄くなり外陰部の乾燥や萎縮をもたらします。性活動に重要な支障をきたす症状です。潤滑液のない性交渉は痛いですから。乾燥の治療には効果的な選択肢が幾つかあります。これらは全て医師によって可能な限り避けることと規定されるべきです。薬、ジェル、クリームを使った局所的ホルモン治療、エストロゲンによって幾つかの組織に作用する新薬、エストロゲンではなくSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)を使った新薬、ヒアルロン酸、外来で扱うレーザーを使って乾燥を軽減し組織を作り直して性機能を向上させる治療です」

③ 女性の2つ目の問題:組織の弛緩

加齢と共に、更年期後は組織が変化し次第に壊れやすくなります。「組織の虚弱化は幾つかの問題をもたらします。例えばセックスの最中に出血を起こしやすくなったり、炎症になったり、膀胱炎のような泌尿器の感染症にかかる傾向がある」とサルバトーレ医師ははっきり言います。さらに「幾つかの症状、失禁や子宮(膣)脱などのような症状は閉経後に起こりやすいのです。特に失禁はセックスに関する限り女性はとても不愉快に感じます。こうした症状の治療のために極めて有効な処置があり、良い性生活を取り戻すことができます。理学療法や、小さな外科手術、あるいは薬を用います。子宮脱は重症な場合は外科手術で治療する場合があります。また出血や泌尿器の感染症には様々な薬理学療法があります。」

④ 予防の仕方(自分で治す方法)

サルバトーレ医師曰く「第一に、予防はかかりつけ医に問題を隠さないこと、解決方法がたくさんあるからです。自身の外観をおざなりしてはいけない、これは根本的なことです。閉経後にカップルが別れてしまうことがあり、その際女性が大きな罪悪感を背負うことになるのです。第2に、肉体の鍛錬はとても重要です、更年期中脂肪組織は増える傾向にあるからでもあります。スポーツをして心臓の血管を良好にし、適正体重を維持し、自分自身について思慮分別まで向上するかもしれません。」骨盤底を鍛えるエクササイズはとても有効で「骨盤底の筋肉の動きを良くし、意識して、さらに骨盤の感覚も向上」し「しかも失禁や子宮脱の予防に役立つ」とサルバトーレ医師は説明します。専用の器具を使って家で一人で行えますが、最初の4,5回は理学療法士や助産婦、看護婦に付き添ってもらった方が良いでしょう。ヨガのような習慣を持つ東洋の女性と違って西洋の女性は骨盤底の筋肉組織を良く知らないのです。第3に、最後ですが、ダイエットです。「バランスのとれたものでなくてはなりません。泌尿生殖器に影響を与える辛くて脂っこい食べ物を食べすぎないことです。」とサルバトーレ医師は締め括った。過度の飲酒をしないことをアドバイスに加えます。摂取する食べ物や飲み物の量より質を加減することが必要です。

⑤ 男性には「更年期」はない

男性には「更年期」に相応するものはありません。「更年期という概念は20年前からありません。今日ではメタボリックシンドロームに関係する男性ホルモンの部分的不足として扱われます。これはテストステロンの分泌低下が原因で起こります。」とミローネ教授は強調し、「このホルモンの分泌低下は体重過多、肉体活動の低下、ストレスを感じる(就業中も)、うつ状態に関係している可能性があります。」と続けた。

⑥ テストステロンの減少と勃起不全(ED)

50歳を過ぎた男性に良くみられる症状です。メタボリックシンドロームに関係すると言われているテストステロン減少以外に勃起不全がある場合もあります。「性的衝動が低下し、性的欲求が頻繁に消えるようであればテストステロン補充療法を受ける必要があります。患者の程度によってですが、勃起不全の場合はペニスへの血流量を増加させることができます。二つの症状共に治療を決める専門家にかかることが基本条件です。」とミローネ教授は説明しました。勃起不全の治療には(ほかの病気が原因である場合は除く、血管の老化現象が原因である場合のみ)、多くの男性特に50~70歳の人はいわゆる“愛の薬(PDE5阻害薬)”と言われるものを使います。教授は「このような薬のほとんどがインターネットで購入されることが頻繁にあり、規制が全くないことが大きな問題です。そしてこれは患者にとってあまりにも大きな危険になります。こういった製品の薬効成分はほとんどないこともありますし。勃起を促す薬のオンライン市場の売り上げはコカイン市場のそれを上回るのです。一方、勃起の低下の場合は基本的に専門家のもとで幾つかのテストを受けます。ペニスのドップラー効果、これで血流を測ります。またメタボリックシンドロームの度合い(ホルモン、コレステロール、血糖値)を算定するためのテスト、言い換えればすべてが新陳代謝的にオルガニズムを阻害する因子である可能性があるのです。この時点で医師は必要な治療を選択します。」と述べた。

⑦ 男性へのアドバイス

「結論として、50歳を過ぎた男性が性に関するあらゆる問題を解決するために泌尿器専門医にかかることは大事です。ペニスへの血流とテストステロンの分泌量を算定した後で診断を受けてください。同様にオンライで薬は絶対に買わないこと。日常生活のアドバイスとして、ニコチンはペニスへの動脈を閉じてしまうので喫煙は勃起の最大の敵です。したがって良い性生活のために吸わないこと、禁煙することが必要です。さらに規則的に肉体活動も行うこともお勧めします。忘れないでいただきたいことは、かつて勃起不全は高血圧や糖尿病といった大変深刻な心臓脈血管系の病気のスパイと見なされていたという事です。勃起の問題は決して過小評価されるものではなく、医師間で議論されるべき問題なのです。」と締め括った。

                                  (訳ここまで)

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