パリの同時多発テロ事件はイタリアでは「Strage a Parigi パリの虐殺」と表現されることが多いようです。Isの標的ブラックリストのトップにはローマの名も挙がっていること、またヴァチカンでは来月から特別聖年が始まることもあり、イタリアもテロ対策に腐心しています。
さて、このようにピリピリした状況を子供たちはどのように感じ、考えているのでしょうか?
興味深い記事がANSA通信に掲載されました。
「パリの惨劇、子供たちは何を知り、何を考えているのか。」(訳ここから)
ペルージアの小学校第3学年のクラスにて
パリ:神経精神医学「子供たちに何もなかったように振る舞わないこと」
現在、私たちはペルージアの小学校3年生のクラスにいます。ここでは以前から教師が平和、人権について教える授業を行っています。今回はパリの虐殺がテーマに取り上げられました。
「さあ、これが子供たちが知っていることと、考えていることです。」Tavola della Pace(平和のテーブル)のフラヴィオ・ロッティが子供たちの生の声を聞かせてくれました。これを日々子供たちに民主的な市民権と責任について教えようと奮闘しているすべての教師に捧げます。
〘パリについて考えていること〙
- 僕/私は 知っている
レオナルド:僕はパリの劇場で100人が殺されたことを知っているよ。
フランチェスカ:怪我をした人は300人だって知っているわ。
ジュリオ:8人の犯人は死んだって知っているよ。
ジョルジャ:犯人はローマや、バンコク、北京も襲撃しようとしていたことを知ってるわ。
ダニエレ:パリではたくさんの灯りがともっていた、でも今は全部消えたんだ。今は幽霊の街みたいだって知っているよ。
マッテオ:フランス対ドイツ戦のサッカーの試合が行われている最中にスタジアムの前で3人が自爆テロを起こしたことを知ってる。
ヴァレリア:子供も死んだって知ってるわ。
フランチェスカ:犯人のグループはISISだって知っている。
レオナルド:病院の前では怪我をした人たちへの輸血のために大勢の人たちが長い列を作って献血したことを知ってるよ。
トニ:100人が殺されたんだから、僕たちのところでも同じことが起きないか怖いよ。
誰がこの事件を起こしたの?
ジュリオ:ISIS
ISISって何?
マッダレーナ:人を殺す武装集団よ。
レオナルド:この武装集団にはベルギーから来た3人の若い男たちがいたよ。
なぜ彼らは人を殺すの?
レオナルド:彼らの神アッラーが同じ宗教に属さない人たちに戦争をするように言ったって信じているんだ。
マッテオ:彼らは自分たちの神が一番偉いって信じている。
ヨセフ:彼らはアラブ人だ、でも神の方に向いていない。
カリマ:コーランは人を殺せと言っていないわ。
神に祈ることは義務?
全員:いいえ。
なぜ?
マッダレーナ:祈ることは義務ではないわ、なぜならそれぞれの人がそれぞれの宗教を持っているから。
ヨセフ:みんなそれぞれ自分のしたい事をする事ができる。
カリマ:祈る、祈らないは選択肢の一つよ。
トニ:祈り方は人によって違うんだ。
他より優れた神はいる?
全員:いいえ。
なぜ?
ジョルジャ:神は唯一の存在だけど、呼び方がたくさんあるの。
人を殺しなさいと命じる神はいる?
全員:いいえ。
パリのテロリストはどの宗教に属しているの?
全員:ムスリムよ。
(ムスリムの子供に対して)あなた達の考えでは、彼らは良いムスリム?
カリマ:いいえ、どうしてかって言うと良いムスリムは平和を望むものよ、戦争じゃないわ。
ヨセフ:コーランは人を殺せなんて言っていないよ。
(非ムスリムの子供たちに対して)あなた達はムスリム全員が悪い人あるいはテロリストだと思う?
全員:いいえ。
マッテオ:いいえ、もしそうだったら僕たちのクラスはなかったよ。たくさんの異なった宗教があるんだ。
ヴァレリア:いいえ、だってムスリム全員が戦争をしたいわけじゃないもん。
トニ:良いムスリムと悪いムスリムがいるんだよ。
マッテオ:学校に行かずに戦うために訓練される子供たちのビデオを見たよ。
ダニエレ:良くないことだよ、その子たちは武器のように使われる。子供たちは弱くて、そこに大人たちがつけこむんだ。
カリマ:学校に通うのは子供たち全員の権利なのよ。
ジョルジャ:一人一人の子供が想像したり考える権利がある。
マッダレーナ:私たちはそれぞれ違っていても学校で友達になれたの。 (訳ここまで)
テロで犠牲になった方々に心からご冥福を祈るとともに、未来を担う子供たち全員が平和を願う心を失いませんように。