コラム

「Mafia capitale 首都のマフィア ①」

karakimami

2014年12月、市の不正入札を巡って37人が逮捕される事件がありました。これはローマでは最大級の大掛かりな逮捕劇になりました。「Mondo di Mezzo」作戦と呼ばれています。
「ローマ市の不正入札の疑いで37人が逮捕。(中略)前市長の関係者らも含む。
マフィア系の組織の捜査はローマで最大級の規模になり、37人(そのうち8人は自宅で逮捕)が逮捕され、2億ユーロ(279億4086万6800円)相当の資産が押収された。

「枝のように別れた買収システム」は入札の斡旋及びローマ市特に市営業社からの公共融資のように見せかけ、廃棄物処理、外国人容所、遊牧民キャンプ、公共の緑の保全といった分野に張り巡らされていた。Ros(Ragguruppamento operative speciale 憲兵隊の組織犯罪及びテロ対策特別班の通称)の捜査と財務警察による押収が行われた。マフィア系の団体であること、恐喝、高利貸し、贈賄、競売の妨害、請求書の偽造、証券詐欺、不法に得たお金を流通させたことなどの罪状で起訴された。

『この捜査がローマにマフィアがいるのかという問いに対する答えだ』、ローマの検察長Giuseppe Pignatoneジュセッペ・ピニャトーネは最大級の捜査を終えた後の記者会見でこのように述べた。

『ローマには街を支配する唯一のマフィアがいるのではなく、複数のマフィアがいる。今日我々が呼ぶところの“Mafia capitale首都のマフィア”を特定した。彼らはローマを出身地とし南部の犯罪組織と関わりを持たないが、マフィアの手口を使う』、

『特に前市長アレマンノの側近数名がマフィアの組織に全面的に協力し、数々の贈賄に関与していたこと。新しい市長になってこの関係は変わったが、マッシモ・カルミナーティ(Mafia capitatale 首都のマフィアの中心人物)と今日逮捕したサルヴァトーレ・ブッツィ6月29日結社の会長)は誰が選挙で勝とうと静観している。』とピニャトーネは説明した。
マフィアの組織に君臨する、かつてのNarのテロリスト、マッシモ・カルミナーティは『他の犯罪組織の代表者、政治家や行政関係者、財務担当者、警察、シークレット・サービスのメンバーたちとの関係を保ちつつ、仲間に秘密裏に連絡を取るためのカードを渡して、どのように行動するべきかを伝授した。』

カルミナーティの組織が妨害しているとピニャトーネは確信している。この件について彼は次のように明らかにした:『新しい法案で何かが変わったようだ。選挙前のブッツィとカルミナーティの会話では静観していると言っていた。』ピニャトーネの説明によると、カルミナーティはブッツィにこう言った『俺たちはブツを売らなきゃいけないんだ、親愛なる友よ、商売女みたいに自分を売る必要があるんだよ。』そしてブッツィが言った数々の困難な問題についてカルミナーティは『それじゃあ、てめえがミニスカートを履いてこいつらとヤリに行け』と付け加えた。

逮捕者のなかには他にも大物の名前がある、例えばEur社の前ADリッカルド・マンチーニ、Ama前会長フランコ・パンツィローニなど…(中略)
容疑者の中には前市長Gianni Alemanno ジャンニ・アレマンノがいる。住居は家宅捜査された。『私を良く知るものは誰でも私が常にあらゆる種類のマフィアや犯罪組織とフェアに厳しく戦ってきたと知っている』と逮捕直後にコメントした。『無実を証明し、頭を高く掲げてこんな信じがたい事件とは一切関係ない。こんな状況の後で司法は私が事件とは全く無関係だと判断するものと確信している。』ローマの前市長は416の背信行為で捜査されている、つまり市長でありながらマフィアの組織に関与していたのだが、彼の役割はまだ捜査中である。捜査に関しては詳細な説明はしないというが、容疑者には警察の上層部も含まれていて、カルミナーティの組織に便宜を図っていたという。(中略)」

これに続いて先日ローマ検察とRosがシチリア、ラツィオ、アブルッツォに一斉捜査をしました。
その結果
「44人が逮捕され、その他21人が在宅起訴された。不法ビジネスは流れ込む移民たちと移民収容センターの運営に関わっていた。
憲兵隊の一斉捜査はローマ、リエーティ、フロシノーネ、ラクイラ、カターニア、エンナにおいて夜明けに火ぶたが切られた。ローマの対マフィア班の検察の要請で発行された逮捕令によると、容疑は不法な団体、贈賄、入札妨害、請求書の偽造、証券詐欺などである。44人の逮捕と同時に21人の容疑者も同様の罪状で取り調べ中である。
この捜査は現在収監中のマッシモ・カルミナーティにつながるマフィア、いわゆる『首都のマフィア』に対してRosが行った今回の捜査の進展に関係している。
捜査官によると、今回の逮捕者たちの自白によって『首都の中にマフィアが張り巡らせたある構造が存在する、それは犯罪者たちと政治家や娯楽場の経営者たちを結びつける蝶番の役目をしていることが証明された。』
特に、取調官が定義するところの『企業のカルテルに恩恵をもたらすことを目標にした贈賄の分派システム、この枝分かれしたシステムによって捜査がマフィアの他の仲間に行き着くことができないだけでなく移民の収容センターの運営者や公的融資の関係者にも辿り着くことができない』存在が裏付けられた。」
次回のコラムに続く。

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