コラム

「新型コロナ関連ニュース、事件、離婚できるようになって50年など」

karakimami

 12月13日日曜日はほとんどの州でロックダウンが終わり、ミラノやローマではクリスマスのショッピングに繰り出した人が通りを埋め尽くしました。レストランやバールも列に並び、久しぶりの楽しい日曜日になったようです。例年この時期はクリスマスプレゼントのセレクトに悩み、女性であればクリスマスの装いにも気を遣い、近年は伝統的な食事を作るのではなくレストランで食事をしる、あるいは出張シェフの利用が増えていました。出費も多いけれど皆が楽しい時期のはずが今年は…ということで13日の日曜日は久しぶりの憂さ晴らしといった一面も見られました。

 新型コロナの感染状況に関しては12月15日の感染者数は14,844人、死者は846人、R0(基本再生産数、1以上だと感染が蔓延する)は0,89と若干上昇気味。高等保健機関によるとまだ死者数が多すぎるとのことです、春のパンデミック以降死者の総数は65,857人で、春より亡くなる人がまだ多い事が心配です。クリスマスの24日と25日は厳しく人の動きを規制すべきとの意見が政府内にあり、クリスマスと元旦限定の強い規制が今後新たに発令される可能性は大きいでしょう。

 新型コロナで経営難に陥った会社にマフィアが法外な金利で経営資金を融通する、今や欧州全体にマフィアの闇金の手が伸びているそうです。Fanpage.itの取材によると、ロックダウン最中経営困難に陥った会社に150~500%の利子を付けてお金を貸した犯罪組織が摘発され7人逮捕されました。この犯罪組織、普段は麻薬売買をしていたそうです。また1万6千€(約2百万円)借りた男性は、利子だけで6万€(約750万円)払わされました。あげくに自分の店まで取られて、さらにまた資し料まで払わされるに至ってようやく通報したとか。この手の事件は、今後イタリア各地で噴出しそうです。

 先週から今週にかけてフィレンツェで人間の体が詰め込まれたスーツケースが3つ見つかりました。場所はフィレンツェ郊外のフィレンツェ-ピサ-リヴォルノ間を走る高速道路の高架下付近の農地でソッリッチャーノ刑務所近くです。ナイロンとビニールでくるまれてガムテープでぐるぐる巻きの状態で見つかったバラバラ死体は男性と女性の2人分で、当局は男性の前腕のタトゥーから2015年に行方不明になったアルバニア人夫婦(54歳、52歳)と見ています。夫婦は2015年初頭イタリアに入国して一月も経たずに行方不明になったと見られます。検視から男女共に拷問を受けて死亡したことが明らかになりました。夫婦には娘と息子がいて、二人ともトスカーナ在住です。娘は失踪届を出し、行方不明者を探すRai3の番組「Chi l’ha visto?」に両親の写真を送るなどして5年間両親を探していました。一方息子は夫婦が行方不明になった当時、大麻6キロの不法所持でソッリッチャーノ刑務所に収監されていましたため、当局は両親の死は何かのメッセージと見ています。イタリアで暗躍する外国人犯罪組織の中でもアルバニア・マフィアは際立った残虐性で知られています。息子の失敗の代償が両親の残酷な死だったのかもしれません。

 ところで50年前の1970年12月1日は、イタリア人特に女性にとっては記念すべき日でした。「離婚にいたる条件(第898条)」が議会で認められたのです。それまで離婚はイタリア社会のタブーで、結婚は文字通り一生モノでした。また1975年には「新家族法」が制定され家父長制が廃止され、男女平等が認められ、婚外子への差別はなくなりました。当時「名誉の殺人」はまだ残っていたのですが、これも1981年に廃止されました。

 離婚が法的に認められるまでは長い道のりでした。アンサ通信の記事を見て見ましょう。

「教会と当時の与党であったキリスト教民主主義党の反対があったにもかかわらず長い道程を経て898条はようやく承認された。キリスト教民主主義党は1974年約60%の同意を得て898条を廃止するためにイタリア初の国民投票を行ったが、この国民投票によって国は二つに分かれた。フォルトゥーナ-バスリーニ法(898条のこと、最初に調印した人の名をもってこのように称される)は社会を変えるための戦いの象徴的意味を持つ。これにより国の法律が宗教の制限を受けない事をイタリア人は初めて認識したのだ…」

 こうして離婚が法的に認められようになりましたが、離婚まで裁判所に行かなくてはいけない義務があるなど手間と時間(3年間)がかかるため数多くの夫婦は別居(事実離婚)を選択し、それぞれ別のパートナーと事実婚関係を結び子供をもうける人もいます。このような状況を改善するため離婚条件を大幅に簡素化した「divorzio breve短離婚」(第55条)法が2015年施行されました。短離婚といっても婚姻関係の解消まで6カ月かかりますが、双方の同意があれば裁判所に行く必要もないため費用も節約できるわけですね(裁判所が関わる場合は12か月必要)。短離婚では双方が弁護士を立てて離婚条件を交渉する(義務ではない)など、現在の社会状況に合わせて細かく改定されています。もっとも近年、離婚も事実離婚も減少しているというデータがあります。なぜかというと…経済低迷で離婚する費用がないためです。このような夫婦は家庭内別居を選択するそうですが、今年の新型コロナで悪夢のような生活に陥ってるか、未曽有の危機を前に仲直りするか… 

 今年は新型コロナに振り回された1年でした。

 来年は良い年になりますように。皆様、良いお年をお迎えください。

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