Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「新型コロナニュース&ユネスコ世界無形文化遺産に立候補予定のカンパーニア州の祭り...とナポリのエスプレッソ」

 欧州ではロックダウンをした国の感染者が減っています。イタリアもロックダウン(赤色)、あるいは準ロックダウン(オレンジ色)措置を取る州が増えているため半島はほぼ赤とオレンジ色になってしまいました。危険度が一番低い黄色の州は今やサルデーニャやラツィオなど5州のみです。このような対策が効いてきたのか、昨日の24時間の感染者は32,191人です。一時4万人を超えましたので順調にロックダウン効果が出ているようですが、死者は731人で懸念される水準です。半島各地の病院で機能不全寸前になっている病院が続出です。ナポリのCotugno病院の外来には自家用車で診療を待つ人の長蛇の列ができました。24時間以上待つので車中泊をする人や駐車場で寝る人の姿も…。また今月11日ナポリにあるCardarelli病院の救急外来の待合室のトイレで男性が死亡した状態で見つかりました。診療時に男性は新型コロナ感染の疑いがありました。トイレに行った男性を待っていたスタッフが男性を探したところトイレの床で死亡している状態だったそうで、現在死亡原因を調査しているそうです。ネットで拡散している映像ではそれほど高齢ではないようなので突然の死因は何だったのでしょうか…

 新型コロナの影響で飲食店が厳しく規制されているため(完全に閉めているところも多い)オフィスにお弁当を持参する人が増えています。コルディレッティの調査ではほぼ2人に1人が弁当持参ということです。原因としては、飲食店が閉まっていること以外に経済の先行き不安もあり、節約志向になっていることもあります。昼休みに長々と昼食&昼寝はもはや過去の夢。家で昼を食べる人なんて全体の僅か2%。サラリーマンの半数は弁当を持参し、約3割の人は同僚から安全な距離をとって弁当を食べるのです。ちなみに外に買い出しに行く人の割合は5%、社食利用者は4%ほどだそうです。一時日本の弁当スタイルが注目されましたが、フランスのように“bento”がフランス語に帰化するまではまだ時間がかかりそうで、イタリアでは“bento”より“gavetta”の方が一般的です。Gavettaはアルミの蓋付容器のことで、もともと軍隊で将校の食事を運ぶための入れ物でした。一番階級が下の兵が運んだことから“ venire dalla gavetta” は“(何もないところから)たたき上げの~”を意味するようになりました。

 新型コロナ関連の話題は置いておいて、ユネスコ世界無形文化遺産にカンパーニア州の Fetsa di Sant’Antuono が立候補するかもしれません。もっともこの伝統ある祭りは既に同州の58個の無形文化財の一つではあります。彼の地の民衆に熱烈に愛されているFesta di Sant’Antuono(カンパーニア州カゼルタ県マチェラータ・カンパーニアで毎年開催される)の様子はYouTubeの https://www.youtube.com/watch?v=lO6lWc6cekk でご覧いただきたいのですが、ここでは専用サイトの説明を要約して概要をみて見ましょう。

「Sant’Anonio Abate(Sant’Antuono)に捧げるお祭りはマチェラータや近隣の人々にとって最も重要で、そして愛されている。歴史、文化、民俗芸術を体現するこの祭りは毎年1月17日に行われる。祭りに先立つ期間は土曜日から日曜日まで。宗教、民俗、伝統が交じり合い、そこに民衆が参加する、Sant’Antonio Abateの特色がここにある。祭りは宗教儀式と民俗イベントで構成されている。Sant’Antonio Abateに捧げられた教会の儀式(カトリックの典礼のようなもの)と、Battuglie di Pastellessaのような他に類を見ない行列やBottari di Macerata Campaniaを乗せたCarri di Sant’Antuono、Pastellessa(別名pastellesse)古代の音色で民俗的である。 Bottari di Macerata CampaniaやPastellessaの特徴は使う楽器にある。通常の楽器の代わりに農民が日々使う道具である樽、ワイン醸造用の大きな桶、鎌を使うのだ。(中略)

 1月17日の祭り当日に先立って行列(Battuglie di Pastellessa)やCarri Sant’Antuonoが練り歩く。いわゆる山車であるCarri Sant’Antuonoは船形で(起源は不明)、船上では上記3つの“楽器”を使って演奏する(bottari di Macerata Campania)。この時演奏される曲は13世紀に生まれ、Pastellessaと称する。

 Pastellessaという言葉は past’e’llessa あるいは pasta con le castagne lesse(茹で栗のパスタ)に由来し、マチェラータ・カンパーニアの郷土料理で1月17日 Sant’Antuono の日に食べる習慣がある。20以上のBattuglie di Pastellessaがあり、Sant’Antunoがアフリカから船で来たという伝説を再現したような三本マストの戦闘用帆船に似せて作られることが多い。マチェラータ・カンパーニアの人々は行列の伝統をとても大事にしているので、1500人もの打楽器奏者が山車に乗って演奏する…」(訳ここまで)  

 いかがですか?一度は見てみたいお祭りですね。

 ナポリついでにもう一つ。今夏 “Caffè napoletano” もユネスコの世界文化遺産に立候補しました。いわゆるナポリのエスプレッソですが、「イタリアではエスプレッソは単なる飲物ではなく正真正銘の文化であり、伝統だから」というのが立候補の理由です。さて、イタリアの主張が認められて登録されるのかどうか。結果を乞うご期待。

↑ ページトップへ