Accademia Italiana

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唐木 麻美 )

「レッチェ(プーリア州の都市)の郷土菓子Pasticciotto Lecceseパスティッチョット・レッチェーゼ」

今回はサレント地方の郷土料理の一つ、Pasticciotto Lecceseを調べてみましょう。これはレッチェの伝統食を代表する一品で、サレント地方の文化に深く根差した素朴な焼き菓子です。これを読んでぜひ作ってみてくださいね。

1. 伝統
パスティッチョット・レッチェーゼの起源を正確にたどることは簡単ではありません。実際、Curia Vescovile di Nardòの古文書館で18世紀初頭までにはその存在が裏付けられる資料が発見されたとはいえ、ガラティーナ(プーリア州レッチェ県)のアスカローネ家のケーキ屋で生み出されたということです。
「1745年店が経営難に陥る中、事態を打開するために新しいレシピを試してみようと考えた。しかし一つのケーキを作るには不十分な材料(クリームと練り粉(生地))だったので、詰め物を入れたファゴッティーノ風の菓子を作り、通行人にふるまった。それを試食した男が、家族にお土産にするためにもっとないか訊いたことから、この菓子のサクセスストーリーが始まった。」
おとぎ話のようですが、美味しいものには人は一瞬で心を奪われるものですからね。 因みに3世紀を経た現在でもアスカローネ菓子店は美味しいパスティッチョットを作り続けています。
2. 名前の由来
パスティッチョットという名前は二つの残り物(クリームと練り粉(生地))を一つに合わせて作った新しい菓子に名前を付けるために、名前も新しく考案したということです。 辺り一帯にレシピが広まり、時と共にサレントの伝統食のなかで際立った重要な役割になったため、1998年からPAT(イタリアの伝統的農産物加工品)のリストに加えられるようになりました。
3. 特徴
柔らかい練り粉(生地)がベースのトルティーノで、一般的には卵型で、中にはカスタードクリームを詰めます。練り粉(生地)にはバターを使うほうが広まっていますが、伝統的には練り粉(生地)にラードを用います。カスタードクリームはシンプルでもレモン風味の物でも構いません、マルメロの実のジャムをかけた伝統的アーモンド・ペーストに中身を代える場合もあります。上にチョコレートが塗る場合はFruttoneフルットーネと言います。(通常はスミノザクラの実の)ジャムとカスタードクリームは子供たちが大好きなTorta Pasticciottoトルタ・パスティッチョット(ケーキ型)となり、それ以外にカカオベースの詰め物や、よりグルメな食材を使った詰め物までヴァリエーションは多種多様にあります。
4. 作り方
《材料》
練り粉(生地) 小麦粉500g、ラード150g、砂糖150g、卵2個、アンモニア  小さじ1杯、摩り下ろしたオレンジとレモンの皮 小さじ1杯
クリーム    牛乳1ℓ、黄身6個、小麦粉180g、砂糖200g
《作り方》
小麦粉と砂糖をふるいにかけ、ラードを入れて練る。卵、アンモニア、オレンジとレモンの皮を加える。生地が均質に練れたらサランラップに包んで冷蔵庫で1~2時間寝かす。その間にカスタードクリームを準備する。黄身と砂糖を混ぜ、小麦粉を加える。小鍋で牛乳を温め、沸騰寸前になったら先ほどの黄身&砂糖&小麦粉を混ぜ合わせたものを入れる。だまを取りながら濃密なクリーム状になるまでかき混ぜながら火にかける。出来上がったばかりのクリームに薄い膜ができないようにクリームの表面にサランラップを慎重にかけて冷やす。0,5センチの厚さに生地を伸ばして卵型か円形の型にセットする。中身のクリームを入れて、生地で蓋をする。その際指を使ってしっかり止めること。表面に黄身を塗り、200度のオーヴンで15~20分焼く。小麦色に焼きあがったら出来上がり。

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