10月22日各国の懸念をよそにメローニ政権が発足しました。新首相はEU支持を明言し、NATOにも忠誠を誓い、極右政権と言われるもののとりあえず周辺国を安心させることに成功したようです。国内ではベルルスコーニ上院銀が謎の“プーチンと大親友”アピールをして、これはメローニ政権に対するある種の揺さぶりのように思いますが、さてどうでしょうか。政府としては早速麻薬とレイプ事件の温床であるレイヴパーティーを取り締まる法律を作ったので、今後若い世代は法律をかいくぐってパーティーを開くでしょう。「無法から不法になっただけ」と当事者である若い世代は実に冷ややかに受け止めているようです。
そして先週末土曜日、五つ星政党も参加した平和行進がローマで行われました。参加者は10万人、レプッブリカ広場からサン・ジョヴァンニ広場まで人々は平和を訴えて歩きました。そしてコンテ党首（五つ星政党）は「ウクライナに新たに武器を送るまえに議会の審議を経なければいけない」と訴えました。これには政府としてもドラギ政権時のようにNATOを通じて無条件武器供与は考えていないようですね。
さらに6日日曜日にはシチリアのカターニアに停泊していた非政府系組織の難民救助船 Humanity1（ドイツ船籍）の難民下船拒否騒動：当初政府は健康不安がある人や未成年者のみ下船を許可していましたが、船長は全員の下船を求めていました。船に残された難民35人が40時間のハンガーストライキをするなど政府の決定に対する抗議活動以外に難民3人が海に飛び込んで上陸しようと試みがありました（医師によると無謀に飛び込みをした人は39度の熱で入院中…）。またEUの規定により難民全員を下船させなければ出航できないことを理由にHumanity1とイタリア政府は対立していましたが3日後、政府が難民全員の下船を許可したことでとりあえずの決着を見ました。
政権発足後いろいろ事件がありますね。今後は経済対策に注目が集まるでしょう。
さて、突然話が変わってビール。イタリアでは近年ビールの消費量が激増していますが、ビールの輸出も順調に伸びています。コルディレッティによるとイタリア国内のビール醸造所はここ数十年で1085カ所に増え、2022年（1月～7月）輸出は前年比12％増と大きく増えています。国産モルトとホップを使った100％イタリア産ビールのプロモーションは年々大きくなり大人気です。
さあここで、海外で良く知られているイタリア産ビール4種類をご紹介しましょう（Bell Italiaより）。
- ペローニ・ビールとナストロ・アッズーロ
イタリア産ビールで最も秀逸とされるのが1846年生まれのBirra Peroni ペローニ・ビール。ローマ、バーリ、パドヴァの3カ所で生産されます。厳選された材料と入念に配慮された製造過程が美味しさの秘密です。またローマの醸造所で作られるペローニのNastro Azzurroナストロ・アッズーロはイタリア産ビールの中で売上ナンバーワンであるのはもちろんのこと、最近ではラガーが特に人気が高いということです。
- モレッティ・ビール
1859年ウーディネ（フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州）で生まれたBirra Moretti モレッティ・ビールは今や町の代名詞になっているほど。世界で最も有名なイタリア産ビールの銘柄です。創業者ルイジ・モレッティは王家の血筋を引く一族とか。また広告やCMに登場する“ひげ男”はイタリアで一躍有名になりました。シチリア、ピエモンテ、トスカーナ、プーリアと州毎に生産されています。1996年ハイネケンに買収されたので、現在ではオランダのハイネケン・グループの一員です。このような事情から正確には純イタリア・ビールと言う事はできないかもしれませんね。
- ポレッティ・ビール
アンジェロ・ポレッティが1876年に創業したアンジェロ・ポレッティ醸造所のBirra Poretti ポレッティ・ビール。1939年破産寸前のところをスプルガ醸造所のオーナー、バッセッティ家に救われSplügenになり、その後デンマークのカールスバーグに徐々に買収されて2002年完全に買収されました。2007年の大掛かりなブランド再建を経て現在のポレッティ・ビール醸造所になりました。
- メナブレア
ピエモンテ州ビエッラにある歴史あるメナブレア醸造所のメナブレア Menabrea ビール。90年代初頭までThedy一族（創業者の遺産相続人）がオーナーで、現在はForstグループの傘下にあります。年間11万ヘクトℓを生産し、その一部が輸出されます。150年以上にメナブレアは最高品質のビールとして知られてきました。醸造所内に併設された博物館でメナブレアの輝かしい歴史を見ることができます。
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