コラム

「9月25日の選挙で大勝したイタリア同胞党とは」

karakimami

 去る9月25日、イタリアの未来を占う選挙が行われました。結果は大方の予想通り中道右派連合の中でもイタリア同胞党が得票率26%で圧勝しました。9年前は得票率僅か1,9%という泡沫政党だったことを思えば今昔の感に堪えません。極右政党と言われるイタリア同胞党ですが、ここでイタリア版Wikiの説明を見てみましょう。

「イタリア同胞党 Fratelli d’Italia(Fdl)はイタリアの右派、極右の政党である。2012年の創設メンバーはイニャツィオ・ァ・ルッサ、グイード・クロセット、ジョルジャ・メローニで、2014年からメローニが党首である。国民保守主義、民族主義、右派ポピュリズム、社会保守主義、ポスト・ファシズムと形容される。国際社会では欧州懐疑主義で大西洋主義に位置付けられる。同党はイタリア国民同盟、ポスト・ファシズムの右派、イタリア社会運動の発展、PNF(1921-1943)とPER(1943-1945)の元メンバーが創設したネオ・ファシズムに影響を受けた党の理想的継承者を体現している。

2013年と2018年の選挙でイタリア同胞党は自由の人民党(現・フォルツァ・イタリア党)と北部同盟党と共に中道右派連合に入り、後に立法期間中離脱し政権の責任を分担しないという選択をして野党に留まった。北部同盟党とフォルツァ・イタリア党との連合関係は2022年の選挙まで維持され、ここでイタリア同胞党はイタリア右派の筆頭政党となった。」

(訳ここまで)

 政治というのは、特にイタリアの政治はクルクル変わるので結構分かり難いものです。そこで、これまでのイタリア政治の変遷を見てみたいと思います。Raiで分かりやすくイタリア政治史30年間を分かりやすくまとめた記事があったので、それを見てみましょう。記事は9月25日の選挙前に書かれたものなので若干タイムラグがあることをご了承ください。

3分間で知る過去30年の政治史」

 連立、分裂、合併:イタリアの二極体制の誕生と混乱を振り返る。

 2022年9月25日、私達はこの30年間で9回目となる選挙で投票しに行く。1992年4月5日はイタリア人が久しい前から国を支配してきた政党の歴史的ロゴを投票用紙で目にする最後の日になった。ベルリンの壁の崩壊と政治の腐敗がイタリアの政治を永遠に変えてしまった。2年後、企業家から政治家に転身したシルヴィオ・ベルルスコーニが新体制を整えて、いわゆる第2次共和制が始まった。第2次共和制の際立った特徴は両極体制で、何年にもわたって中道右派と中道左派の大連合を中心に機能し、その間合併、分裂、断絶、再編成と目まぐるしく様相を変えていった。

 イタリアの両極体制にとって本当の決定的分岐点は1996年、選挙でロマーノ・プローディの中道左派連合オリーブの木連合(L’Ulivo)がベルルスコーニの中道右派連合の対抗馬として出現した時であった(ウンベルト・ボッシの北部同盟党(Lega Nord)はどちらにも加わらなかった)。その後何年も中道右派と中道左派の主導権争いが続いたが、2013年五つ星政党が登場して第2共和政の選挙の均衡をひっくり返した。

 2018年両極体制の混乱が公けになった時、議会で初めて両連合を凌駕する存在が出現した。五つ星政党(M5S, Movimento Cinque Stelle)と北部同盟党である。両党が第1次コンテ政権を生み出した。第1次コンテ政権は1年と少し続いたが、伝統的政治の枠組みは砕け散った。事実、五つ星政党が北部同盟党と袂を分かち民主党(Pd, Partito Democratico)、イタリア・ヴィーヴァ党(IV, Italia Viva)、自由平等党(LeU, Liberi e Uguali)と手を組んだ第2次コンテ政権を経て、イタリア同胞党を除く議会の全政党から支持されてドラギ政権が発足した。

 五つ星政党から火が付いた政治的危機の後、フォルツァ・イタリア党と北部同盟党は信任投票に参加しないことを決めて、ドラギは首相辞任を発表した。9月25日の繰り上げ選挙は歴史上はじめて秋に行われる選挙になる。」

(訳ここまで)

 極右と称されるメローニ氏ですが、実際はどのような政治を行うのか。イタリア同胞党の次点に位置する北部同盟党も政権の中核を担うと見られています。また実務派の人たちも政権に入るようですので、それほど現実離れした政権にはならないと言われています。何れにせよ、イタリア国民の今回の選択は欧州の未来をも左右するほどのインパクトがあります。イタリア史上初の女性首相の手腕が楽しみですね。

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