コラム

イタリアにいたユダヤ人の悲劇&政治など」

karakimami

 イタリアは今年の冬は悪天候続きで山岳地帯では3日に1度雪崩が起きています(Cordiletti調べ)。1月は色別で分類されている感染が最も深刻な“赤”地域と中等度の“橙”地域の飲食店の廃業が相次いでいます。“赤地域”は春のロックダウン並みに強い規制、“橙”地域は少し緩い規制がかけられるのすが、12月から今月にかけて地域別感染者数で判断され週替わり弁当のようにクルクル変わります。例えば「現在は分類が“赤”だけれど次の月曜日からは“橙”」など、政府は細かく対応してきました。経済への影響を考慮すれば当然ですね。ところがロンバルディア州の感染者数の集計が間違って多くカウントされていたことがここにきて明らかになり犯人捜しが始まっています。廃業しないようにギリギリ頑張っている人たちを前に「集計が間違って多くなり、本来“橙”のはずが“赤”になっていました」なんて言ったら血を見る騒ぎになるでしょう。

 前回のコラムでも書きましたがイタリアの政治的混乱は終息せず、内閣信任投票では辛うじて信任を得たものの連立与党の再編は必至の流れになり、2日前にはついにコンテ首相が辞任しました。現在マッタレッラ大統領と各党の党首が面談し今後について話し合っています。マッタレッラ大統領が仲介して新し連立内閣を組閣することになるわけです。 半数の国民が理解していない政治のリアリティーショーはどんな結末を迎えるのでしょうか?

 イタリアのニュルンベルク法と言うべきLeggi razziali fasciste(ファシスト人種法)が制定されたのは1943年(即時施行)でした。因みにユダヤ人の定義は「両親ともユダヤ人、父親がユダヤ人で母親が外国人、父方が不明なユダヤ人を母に持つ者、両親ともにアーリア人でもユダヤ教を信じる者」で、父系が重要なことが良く分かりますね。話が逸れましたが、この法律でユダヤ人は通学禁止、病院に行くこともできず、お金を持つこともできなくなりました。約1週間前、サヴォイア王家のEmanuele Filiberto di Savoiaエマヌエレ・フィリベルト・ディ・サヴォイア(イタリア王国最後の国王ウンベルト2世の孫)は先祖の過ちを各メディアに手紙を送って謝罪しました。サヴォイア家は戦後イタリアを追放されたので彼はスイス生まれ、モンテカルロ在住で現在スイスのTVタレントをしています。サヴォイア家の追放は2002年に廃止されたので今はイタリアでホームレス支援など人道支援活動にも取り組んでいますが、イタリア側では政治的野心があると噂されることも。

 話をイタリアのユダヤ人に戻します。

 今から僅か2年前、あるユダヤ人少女の悲劇が明らかになりました、5歳の幼いユダヤ人少女を襲った悲劇の舞台はロンバルディア州モンツァ・エ・ブリアンツァ県デージオ、Yehoudith Kleinman(当時5歳)は母と祖母と共に抑留されていました。1944年1月のある朝、その地に住んでいたユダヤ人全員逮捕するためにイタリア軍が来た時、Yehoudithの母と祖母も逮捕されました。路上には騒ぎを見に出てきたイタリア人も入り混じり誰がユダヤ人の子供か分からなかったため、幼いYehoudithに母親は誰か訊きました。母の必死の目くばせに気づいたYehoudithはとっさに隣人の女性一家の下に行き、隣人女性は少女を匿い、その後修道院で保護されました。一方、母と祖母はアウシュビッツに送られ、着いた当日殺されました。現在Yehoudithは80歳、エルサレム在住です。本当に悲しい話です。

 さて、新型コロナで世界中の人々の生活が変わりました。イタリアでは3家族に1家族がペットを一匹以上飼っていますが新型コロナでペットブームが来ました。1月17日は動物の守護聖人、聖アントニオ(Sant’Antonio Abate)の日ということで、イタリア農業生産者団体コルディレッティの記事を少し引用しましょう。「イタリア最大の動物愛護団体Enpa(Ente Nazionale per la Protezione degli Animali)によると犬や猫の第2の里親になる人が昨年比15%増えました。(中略)犬や猫を家族に迎えて苦しいロックダウンを乗り越える人が多かったということです。一方田舎では家畜小屋から動物の姿が減りました、ミルクの価格が不当に安くなってしまったからです。今こそ自国の畜産業を守る時…」とコルディレッティは訴えています。

 ではまた

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