コラム

「イタリアは同性婚に許可すべき」

karakimami

これまでヨーロッパの他の国に比べてイタリアは同性愛について狭量な態度を取ってきました。実際、同性愛を苦にしての自殺(特に若者の自殺)がたびたび起きています。本来どのような愛を選択するかは個人が責任をもって自由に選択すべきですが、イタリア社会では学校でのいじめや家族の無理解が自殺の原因になるようです。

ドルチェ&ガッバーナのデザイナー二人があるインタビューで「同性婚で子供を持つこと」に否定的な発言をして、周囲の猛批判を浴びました。その後、彼らの発言は自身の人生についての見解を述べたに過ぎず、一般論を述べたのではないと釈明することになったのですが、その際にも「(ドメニコ・ドルチェが自身の出身地シチリアを指して)私の育ったところでは伝統的な家族を重視する価値観があるので、同性婚で子供を持つことに抵抗がある」という趣旨の発言をしています。

さて、そのようなイタリアに対して、先ごろシビル・ユニオンと欧州議会は「同性婚を許可するよう」求めました。

(以下記事翻訳抜粋)

欧州における基本権の状況に関して火曜日に多数をもって可決された、拘束力のない解決法案の86項目に関して「イタリアは許可するように」とシビル・ユニオンと欧州議会は要請。

欧州議会はイタリアを含む9か国に「同性カップルに対して『同棲、登録婚、結婚』を法的に整備することを検討する」ように求めた。

これはストラスブールで火曜日に可決された欧州基本権の状況に関するレポートの85項目に入れられた。

《差別をなくす》

欧州議会が作成したレポートと、野党のM5S (Movimento 5 Stelleモヴィメント・チンクエ・ステッレ党)のラウラ・フェッラーラ、さらには民主党まで欧州委員会に自由な環境で権利を行使するために『国民の前に立ちはだかる差別的な行政及び法律上の障害を取り除く』べく他国の登録婚やシビル・ユニオンについての『相互承認を保証する積極的な規定案を提示する』ように頼んだ。

ストラスブールではLGTBI(別称GLBTI、Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender/Transsexual and Intersexedの頭文字)の権利に関する条項において、これらの人々に向けられた差別と暴力を最大限の強固な意志をもって糾弾し、各国に性転換者や同性愛者を侮蔑するあるいは激しく非難する社会的圧力を制裁することを要請した。このため議会は新たな法整備のための官僚的手続きの簡略化を要請した。

《法制度を自由に利用できる》

今回可決された解決案では、LGTBIの人々が法的に同棲、登録婚、結婚を求める場合、これらの人たちの基本権はあらゆる事態を想定し保護される。これこそ議会が『19の国が目下このような選択権を提供し、他のメンバー国にも同様の措置を求める』理由である。議会は『公的身分の各メンバー国の相互承認を保証』し『行政の差別や法的障害をなくすための法的効力』を持たせる積極的な法案を準備するように強く働きかけた。解決案では40ページにわたって欧州基本権にふさわしい様々な法律を2013年〜2014年の2年かけて検証している。179項目のうち8項目がLGTBIの人たちの人権に関するものである。

(記事訳ここまで)

ところで現在イタリアではシビル・ユニオン支持が優勢ですが、ヨーロッパ全体では

同性婚支持国: ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、デンマーク、オランダ、ベルギー、スロベニア、ルクセンブルク、フランス、スペイン、ポルトガル、イギリス、スコットランド、アイルランド、北アイルランド、アイスランド

シビル・ユニオン支持国: ドイツ、オーストリア、ハンガリー、クロアツィア、スイス

(ANSA通信から)

となっています。

人を愛し、愛する人と家族を作るという基本的権利を確固たるものにするためには、現行の不条理な制度を壊し、新しい制度を作り出さなければいけないのです。ヨーロッパの取り組みが世界を変える転換点になりますように。

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