コラム

IVA 消費税(付加価値税)は22%に

karakimami

7月1日からイタリアの消費税(付加価値税)、通称 IVA ( Imposta sul valore aggiunto ) がとうとう22%になります。先日のイタリアの日刊紙は「政府は IVA 増税回避は絶望的」と報じました。

さて、具体的にどうなるのか見てみましょう。

値上げ対象品目:

ワイン、ビール

衣類、靴、これら2種の修繕に必要な品々

家庭用電化製品、家具、インテリア用品、家庭用布製品、家事労働(家政婦やお手伝いさんなど)

家庭用品、洗剤、クリーニング店、

自動車、自動車用パーツ、ガソリン、動力用燃料、修繕&保持のための費用

ゲーム、おもちゃ、ラジオ、テレビ、Hi-Fi、ビデオデッキ、コンピューター、文房具、植物、花、ラジオやPC&テレビの修繕費用

健康器具、理髪店、美容院、エステサロン、宝石店、アクセサリー店

高度な専門技術を要求される士師業(専門業)の報酬

一方、日常生活を送るために必要な物、例えば食品、保健衛生用品、教育、住居に関してはすでに10%あるいは4%が課税され、無課税のものもあります。

このまま消費税増税が続けば多くの企業活動に支障をきたします。政府は増税回避を必死に模索していますが、7月を目前に白旗をあげたのでしょうか。

最貧困層が昨年比で約2倍以上増加したことは先日ツィートしましたが、6月14日には以下のようなタイトルでイタリアを出て行く若い世代のことが報じられました。

「キャリアのためにイタリアを後にする新イタリア移民たち、彼らはどこにいくのか」(意訳)

続いて、

「経済不況を受けて南欧から移住する人々がまず第一に目指すのはイギリスです。移住者の30%がイギリスを最終目的地に選びます。続いてドイツ(11%)、オランダ(8%)、ベルギー(7%)、フランス(6%)。

移住者の職業の20%は工学分野、11%はコンピューター関係です。また移住者の半数はすでに仕事があり、4人のうち3人には子供がありません。移住先を決める動機でもっとも多いのは職業上のキャリアを望めるかどうかまたその可能性があるかどうかです。

Istituto universario europeo (Eui) di Fiesole フィエーゾレの欧州大学院の研究から新しい移民の姿の概略が明らかになりました。経済不況の当初2007年から今日まで故国を出て行く人たちが絶えず、移民排出国はポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシア、スペインの五ヶ国で、 Piigs (先の五ヶ国の頭字語)という名称でいまやすっかりお馴染みになった国々です…(中略)

現在まで欧州大学院には4000もの返答が集まっています、そのうち半数以上がポルトガルからです。

イタリアに関しては、この調査によって2012年から特に顕著になった新・イタリア開拓民の姿が浮かび上がりました。質問回答者の40%が過去17ヶ月間にイタリアを去りました。そのうち半数は移住先で仕事を見つける必要がありますが、残りの半数は職業をすでに確保済みです。イタリア人が向かう先でもっとも多いのはドイツ(20%)で、続いてフランス(16%)、イギリス(13%)、ハンガリー(5%)、オランダ(5%)、オーストリア(5%)となっています。

移住の動機は

「職業上のキャリアを求めて」(68%)、「より高い報酬を得られるから」(38%)、「より良い生活を求めて」(35%)です。

また移住先を選ぶにあたって移住先の言語を問題とするとしたのは27%のみで、23%がその国で以前に勉強したことがあると答えています…(中略)

移民新世代の60%は30歳代から40歳代で、96%は学士であり、40%は修士号を、27%は Ph.D (博士号)を持っています…(中略)この傾向は Piigs の間では高いですが、イタリア人の間では10%、科学分野の研究に限って言えば33%で、経済全体では23%になります。」(意訳)

このように専門知識を持った層が流出するということは将来的にイタリア社会にとってさらなる打撃になるかもしれません。

さて、イタリア人がイタリアから出て行く一方で、多くの難民がイタリアに漂着します。

2003年3月にはアフガニスタンからやってきた平底船がカラブリア州カーポ・デッァルミ近くの岩場で座礁しました。船内には20人の子供と、46人の大人が舷側に乗っていました。難民は病院で必要な処置を受けた後赤十字に引き渡されたということです。

また先週も、159人のシリア人、クルド人、アフガニスタン人の難民がイタリア、カラブリア州のロチェッラ・イオーニカに漂着しました。木造の小さな船にぎっしり乗り込んで一週間海に揺られてたどり着いたのです。難民たちの中に生まれたばかりの新生児もいて、この赤ちゃんを見つけたとき沿岸警備隊の間には大きな感動と安堵が広がったということです。この赤ちゃんと母親はすぐ救急に運ばれました。舷側には他に女性14人、子供7人がいました。詳細は不明ですが、赤ちゃんを出産した女性がいた船内には多くの未成年者と15人の子供が乗っていました。体重2キログラムの小さな赤ちゃんも含めて全員健康状態に問題なかったということです。

このようなニュースは数多くあります。

これら難民の処遇はイタリアにとって厄介な問題です。多くの難民たちは欧州を目指しますが、地理的関係で彼らが最初にたどり着くのがイタリアです。イタリアは彼らを保護し、必要な医療的処置をして、日常生活に必要な物などを支給します。難民の最終目的地はイタリアではなくドイツやフランス、北欧ですから、難民は支給された品物を持って難民収容施設を出て最終目的地に向かうのです。イタリアの経済状況は最悪低空飛行を続けていますから… 政府は対応に苦慮しています。

最悪の経済で打撃を最初に受けるのが難民など社会的弱者です。先週ミラノではセネガル人が解雇された会社の前で焼身自殺を図りました。全身に40%のやけどを負い、予断を許さない状態です。自殺の動機については現在捜査中ですが、セネガルには妻と三人の子供がいます。

何とも悲しいニュースですが、イタリアを出る人にもイタリアに来る人にも等しく良き未来が訪れることを願ってやみません。

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