Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「9月1日、イタリア雑記」

 イタリアで9月1日から公共の乗り物(長時間利用の場合のみ)でグリーンパス(ワクチン接種証明)提示義務が施行されました。今のところ市中バスや地下鉄など日々の生活で短時間利用の乗り物は除外されています。日本で言えば新幹線や飛行機などを利用する場合はグリーンパスが必要、ということです。ワクチン接種が進めば日本でも同様の措置が取られるようになるかもしれませんね。

 グリーンパス表示義務化を巡って、イタリア全土でワクチン反対・グリーンパス反対派(No vax e no green pass)は毎日激しいデモをしています(現在進行中)が、それを取材するジャーナリストに対して暴力を振るったことで一層険悪な雰囲気になりました。ところでワクチン反対運動を主導していた警官(58歳)が7月28日に陽性になり、入院していたものの結局1か月後亡くなったニュースは、このような状況なので比較的大きく扱われています。移民の間で大規模なクラスターが起きたターラント(プーリア州)で任務に当たっていたときに感染したと言われていますが、当初の病状は全く深刻ではなかったものの8月10日にはICUに移り同月29日に死亡しました。遺族によるとワクチンを打っていなかったことに納得して亡くなったそうです。「ウイルスより自分は強い」が口癖だったようですが、ウイルスは変異するのでさらに強くなってしまったようですね。どんなに元気でも、今の時期健康に過信は禁物です。ある評議会議員は保健省に「ワクチン反対派にICUの治療費を払わせるべき」と提案しました。今やイタリア社会はワクチンを巡って二分されそうな勢いです。

 Fanpage.itの8月30日の記事によると「ファイザー製ワクチンの効能は数か月後に低下する、とイスラエルの研究機関が発表した」ということです。この記事の前からイタリアでは3回目の接種について取り沙汰されているので、この研究結果を見ても3回目接種は前倒しで開始されるようになるでしょう。日本でも間違いなく3回目接種になりますね…

 話は変わりますが、8月29日日曜日はミラノで15階建て高層ビルTorre dei Moroが火災で全焼しました。被災者曰く“アルコールを染み込ませたハンカチのように燃えた”そうです。火事の翌日消防署が公表した火災現場写真では、ガラスのエントランスドアが熱で溶けて灰と燃えカスだらけです。今は無残な姿になってしまったとはいえ、ミラノ郊外に建設されたTorre dei Moroは所謂イタリア版億ションでした。建設計画のために土地が買収されたのが2006年末、その後5年間で15階建ての近代的マンションが建設され、1㎡=8,000€(約100万円)で取引されたこともありました。最上階は75万€(約9750万円)以上したとか。日本の感覚で言うと“それほど高くないのでは?”的ですけれど、イタリアのミラノとはいえ郊外にある物件の値段としては破格に高いので当時はあまりの高額に巷で話題になったほどです。もっとも歴史街区の物件はさらに高いので、こちらの方が正真正銘の高級物件ですね。とにかく、庶民にはとても手が出ない高級マンションだったのに僅か10年で燃え尽きてしまうなんて…住民は怒り心頭です。火災報知機も作動しなかったので、火事に気付いた数名の住人が建物中のドアを鳴らして住人たちに火事を知らせたおかげで犠牲者は出ませんでした。安全に十分配慮されたマンションということで、有名な企業家や2019年サンレモ音楽祭で優勝したシンガーソングライターのMahmoodマムードも住人でした。消防署によると15階あたりの燃え方が激しかったという事ですが、今後火災原因が明らかになるでしょう。

 暗い話題ばかりでは気が滅入りますね。ヴェネツィア映画祭2021が9月1日~10日まで開催されます。オープンを飾るのは女優のセレーナ・ロッシのダンス、フィナーレはマット・デイモンとベン・アフレックが登場します。日程としては前半5日まで様々な国の映画が上映され、6日から10日まではイタリア映画が上映されます。アダム・ドライヴァー(Duneのカイロ・レン役)、Kolossalのオスカー・アイザック、ゼンデイヤ、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルテムは妻ペネロペ・クルスも一緒(たぶん)、ペドロ・アルモドバル&アントニオ・バンデラス、オリビア・コールマン、スペンサーでダイアナ元妃を演じたクリステン・スチュアートなど豪華な俳優陣が勢揃いします。コンペに参加するイタリア映画は “E’ stata la mano di Dio”, “Freaks Out”など5作品でクラウディオ・サンタマリーナ、エリオ・ジェルマーノらがレッドカーペットに登場します。個人的にはFreaks Outが気になるところですね。ところでヴェネツィアで夏のヴァカンスを過ごしたシャロン・ストーンも参加するのかな?

 ではまた

↑ ページトップへ