Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「イタリア近況:政治やサンレモ音楽祭のことなど」

 イタリア政治は先週から引き続き混迷が続いています。昨日マッタレッラ大統領はドラギ元欧州中央銀行総裁と話し合いました。ドラギ氏の提案で総選挙の可能性はないようです、イタリアの現在の経済状況や社会状況を見れば現実的ではないですね。コンテ元首相が退陣する原因になったIV(Italia Viva)のレンツィ党首の事は「単に権力が欲しかっただけ」とか「コンテに嫉妬しただけ」など各メディア辛口に評しています。

 新型コロナ関連ニュースとしては今週の月曜日から5州を除いてほぼ平常生活に戻りました。とはいえ2月2日の感染者は9,660人、死者499人で依然として死者数が多いです。スペインでは一日の死者が724人になり最悪の数字に、またアイルランドでも初めて死者が100人を超えました。ワクチンに関して:世界最古の職業、いわゆる性産業に従事する女性達にもなるべく早くワクチン接種するべきだとの声が上がっています。何しろ昨春のロックダウン期間中でも彼女たちを必要とする人たちが少なからずいたのですから、実際問題として性産業従事者へのワクチン接種は必要でしょう。欧州全体では秋までに人口の70%まで接種できるとの見通しです。フランスは夏終わりまでに全人口の予防接種が終わるとマクロン大統領が述べました。感染拡大以来イタリアで感染者を最も多く出しているロンバルディア州では待望のレストラン・ランチが復活し街は喜びに溢れています。感染者は減少していますが、死者数が依然多いので飲食店が夜以降店を開ける事には慎重に対処すべきと専門家は警告しています。経済と感染拡大防止の両立は本当に難しいですね。

 経済は暗いニュースが続いています。Istat国立統計研究所によると昨年12月は10万1千人が失職しました、その中の9万9千人は女性で新型コロナによる不況がいかに女性を直撃しているのかが良く分かります。

 明るい話題と言えば閉鎖されていたローマのコロッセオが2月1日、87日ぶりに開放されました。コンサートも開催されたので見学に訪れた市民たちは大いに喜んだという事です( https://youmedia.fanpage.it/video/aa/YBgkgOSwL5V8Cl6j )ローマを代表する観光名所は普段は観光客で溢れていますが、この日はローマ市民のためだけにあるようでした。現在コロッセオ入場は一日1200人までと制限されています。新型コロナのおかげ?で観光客のいないコロッセオや博物館・美術館をゆっくりと見て回ることができるようになったのはローマ市民にとっては予期しなかった少しうれしいサプライズではないでしょうか。

 急峻なアマルフィ海岸にへばりつくように発展したアマルフィ市を見るたびに、斜面に建つ建物が崩れたら、あるいは山崩れが起きたら怖いと思わない人はいないでしょう。昨日大規模な山崩れがあり、土砂で国道は完全にブロックしました。幸い犠牲者はいなかったものの、連日の大雨で地盤が緩んでいたことが原因と見られます。この辺りの事情は日本と同じ、風光明媚と危険は隣り合わせですね。  来月3月2日から4日間の日程で開催される第71回サンレモ音楽祭。アリストン劇場が舞台になるのは恒例です。とはいえ今回は徹底した管理下、完全無観客で行われることがほぼ決定ようです。また例年ですと期間中にアリストンの外でも様々なイベントがあり、とても楽しい音楽の祭典なのですが、今年は外でのイベントは禁止になったとか。昨年末から音楽祭参加者を含めた関係者全員のためにクルーズ船をチャーターする案が検討されていました。でも船から関係者の移動をどうするのか、など問題がありすぎて実現しなかったということです。はっきり言って、クルーズ船を関係者の宿泊先にするのなら音楽祭を船内で開催することが一番合理的だったでしょう、でもサンレモ音楽祭はサンレモ市とアリストン劇場が主体になって開催してきた歴史があります。もしアリストン劇場を外して開催OKになればサンレモ音楽祭をサンレモで開催しなくてもOKになって、そして…

 夏の避暑地として有名なサンレモ市の冬の観光客向け呼び物として始まった同音楽祭は、クオリティが高く今では欧州中で放送されるほどなので、サンレモ市&アリストン劇場という約束事がなくなればイタリアの大都市で開催されるようになるかもしれません。そうなったらサンレモ市にとって全く経済効果はありませんよね、サンレモ音楽祭生誕地というだけでは観光客は来ないでしょう。アリストン劇場内にサンレモ音楽祭museumを作るとかありがちですが、はっきり言ってパッとしないでしょうし… たとえ新型コロナでもサンレモ音楽祭はサンレモ市のアリストン劇場で行うという原則は守られたので良かったですね。

 同音楽祭関係のニュースがもう一つ。Bigレース参加者のFedezとMichielinコンビの参加曲“Chiamami per nome”の一部分がネット上に流れてしまった問題は参加資格剥奪になるかもしれないと取り沙汰されました。スパイがいたのではありません、Fedezが自身のインスタで数秒間流してしまったのです。サンレモ音楽祭の参加曲は未発表であるのが鉄則なので、Fedezも間が抜けてるというか何というか… とにかく無事に参加できることになり、Fedezと組むMichielinもホッと胸をなでおろしたことでしょう。

ではまた

 

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