Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「いつもより控えめだった大晦日でも小鳥には災難だった」

 2021年最初のコラムになります。今年もよろしくお願いいたします。

イタリアでは既に新型コロナのワクチン接種(ファイザー)が始まり、一週間で10万人に接種しました。摂取数が最も多いのはラツィオ州で、一応ローマはイタリアの首都ですからある意味当然ですね。昨年12月にインターポールは欧州全体にマフィアなど犯罪組織がワクチンの買い占める準備をしていると警告を発しました。シルク・ロードならぬウイルス・ロードを辿って悪人がやって来る、そんなイメージを彷彿とさせます。またイタリアでも確認されたイギリス初ウイルス変異株に関してはイタリアで感染拡大しているとの情報は今のところありません。ほとんど数日で変わるイタリア政府の細かい規制が効を奏しているのか、一日の感染者数は1万5千人程度に抑えています。

 余談ですがイギリスの一日の感染者数は6万人を突破しコントロール不能とイタリア紙は報じていて、ついに国全体で21日間ロックダウンをすることが決まりました(長期になると予想されている)。昨春より状況は悪化しているということです。またイタリアも感染第3波を警戒して1月5日と6日(公現祭)は国全体で人出が見込まれるため2日間最大警戒(準ロックダウン)に入りました。

 さて、ご存じのようにイタリアの大晦日には厳かな雰囲気は全くありません。カトリックにとって重要な宗教行事は12月24,25日なので、大晦日の夜は単に年が新たになるだけのお祭り騒ぎになります。爆竹や花火を打ち上げて騒ぎまくるので毎年消防署に通報が相次ぎますが今年は消防隊出動数229件と(前年686件)大幅に少なくなりました。州別に分けるとラツィオ州45件(前ねね171件)、カンパーニア州40件、プーリア州24件、ヴェネト州19件、ロンバルディア州18件、シチリア特別自治州17件、リグーリア州16件でした。13歳の少年が腹部に爆竹を直撃して死亡したほか、けが人204人だったそうです。外出禁止令の効果があったというところでしょう。

 人間は楽しくても、いたるところで爆竹や花火の音が突然するのは人間以外の生物にとっては大迷惑ですよね。人間のバカ騒ぎの犠牲になった小鳥の記事(部分訳)を見てみましょう。

『正月の轟音に驚いて高圧電線に激突、数百羽が犠牲に』

 長年ムクドリの群れはローマの大部分の地域の木を占拠する。昨年も大晦日数週間前からムクドリたちは慣例のごとくやって来た。(大晦日の)数日前にAtacのタクシー運転手が通報しているように、ムクドリが特に好むのはテルミニ駅前のチンクエテッレ広場の木で満員御礼だった。大晦日の花火と爆竹の轟音に驚いたのだろう、ムクドリたちは恐怖に慌てふためいて気を飛び立ち、多くがローマの旧市街に張り巡らされている高圧電流の電線に衝突し死んでしまった。路上にはムクドリの死骸がいたるところに落ちている…(訳ここまで)

 ムクドリの大群はローマの空を眺めればすぐに気が付きますが、数の多さに騒音や伝染病など衛生面が問題視されています。また路上が大量の糞で滑りやすくなることも案外無視できない厄介事だとか。ムクドリは市にとって頭の痛い問題ですが、今回の悲劇は100%人間の責任ですね。

 大晦日に関係したニュースをもう一つ。南部プーリア州フォッジャのイアッカリーノ市議会議長は大晦日の夜自宅バルコニーから新年の挨拶に銃を連射したビデオで今やすっかり有名になりました。マフィアを想起させる銃器を市議会議長が使ったことが大きな問題になり辞任問題まで発展しましたけれど、大げさに騒ぎすぎということで大勢の共感を集めて結局辞めないことになりました。フォッジャ市では市長の息子が大学試験の不正や暴力で捜査中、そして妻も不正疑惑で捜査されていますが、市長の責任は曖昧なままなのですよね。今回イアッカリーノ氏が辞任であれば市長は当然… 何となく南部を感じさせる一件でした。

 最後に昨年12月25日に放送されたピアノの演奏映像をお届けしましょう。

1900年代を代表するイタリアのピアニスト、アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの生誕100年を記念してブレシアのサンタ・ジュリア博物館に展示されている紀元1世紀のブロンズ像「Vittoria alata di Brescia」とアレクサンダー・ロマノフスキーの共演です。美しい音楽と素晴らしいブロンズ像の共演に心洗われる一時をどうぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=9I-zrHphBaM&feature=emb_logo

それではまた。

↑ ページトップへ