Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「イタリア近況 ②」

 欧州では新型コロナ第2波でスペイン(1日の感染者数が1万人超)やフランスは1万人を下回る数で推移し、イギリスは3,500人と感染者数が増えています。イタリアは非常に健闘して1日の感染者数は2千人を超えていません。昨日は1千人程度でした。

 義務化されているにもかかわらずダウンロードした人があまりにも少なくて実力を発揮できない感染者ルート追跡アプリImmuniはアンサ通信の記事によると「…14日時点でダウンロードした人は590万人でターゲット人口(14歳以上でスマホ所有者)の15%だ。数日前からダウンロードが急増している。週末だけでもダウンロードは27万件に上った。Immuni使用者で感染した人は221人、警告を発した対象者は3,080人で、9月1日から10日間では1,200人だった。アラート通知件数は7月13日から始まったが、Immuniは6月初頭からオンラインストアからダウンロード可能になっている。」夏には想定された効果がないと批判されていたアプリですけれど、第2波と共に効力を発揮しつつあるようです。

 少し前までラツィオ州ローマ県コッレフェッロでWilly Monteiro Duarte(21歳)が撲殺された事件がイタリアで大きな話題になっていました。犯人はGabriele(25歳)とMarco(24歳) Bianchi兄弟、Francesco Belleggia(23歳)、Mario Pincarelli(22歳)で既に逮捕されています。9月6日、事件は夜中の飲み屋での若者グループ同士の口論から始まり、店外で暴力に発展、ただ一人逃げ遅れたWillyが殴り殺された…犯人たちは殴っていないと主張するも司法解剖で死因が撲殺であると分かっています。さて、社会的に大きな問題になったのはWillyの両親がカーボベルテ出身で、Willyの肌が黒いこと。イタリアでもBLM運動は大きく影響しているため、「イタリアでも黒人が殴り殺された!」と衝撃を与えました。犯人たちが麻薬の密売絡みで前歴が山のようにあるガラの悪さも、普通の社会人Willyの悲劇を際立たせています。12日に行われた葬儀にはコンテ首相も列席し哀悼の辞を述べました。この事件は今後人種差別問題に発展する可能性があり、実際犯人は独房に入れてほしいと懇願しているとのことです。ネットでは、脳の発育はイマイチだけど筋肉ムキムキでマッチョを誇示するGabrieleとMarco兄弟の写真がやたら目を引きますが、どんなに筋肉を誇示しても刑務所では独房に入れてもらった方が賢明でしょう。

 話は変わりますがイタリア社会は同性愛者やトランスジェンダーに否定的です。毎年のように同性愛を苦にしてティーンが自殺することからも彼らの生きづらさが窺えます。特に南部ではその傾向が強いのかもしれません。カンパーニア州ナポリ県カイヴァーノで婚約者がトランスジェンダーの20歳のMaria Paola Gaglioneが、兄の暴走が原因で亡くなりました。婚約者Ciro Miglioreと結婚式に出席した帰り道、スクーターに乗っていた二人をホンダのバイクに乗った兄Michele Antonio Gaglione(30歳)が追いかけて無理に停止させようとしてスクーターに追突、転倒してMariaは即死、Ciroは左腕骨折。逮捕された兄は妹を故意に死に至らしめたのではない、ただトランスジェンダーとの関係が気に入らなかったので思い知らせてやろうと思ったとのことです。Micheleは過去に妹を精神的に隷属させていた、いわゆる精神的虐待もあり、LGBTヘイト以外に重度のシスコンかもしれません。事故は9月17日の夜から18日にかけて発生し、まだMariaの葬儀も行われていません。

 事件の根底にあるのはLGBTに対する偏見や差別があることは明らかです。でもMariaの葬儀にコンテ首相が出席することはないでしょう。

 さて、14日から学校の通常授業が再開され、社会全体が子供の教育環境にピリピリしています。教室でもソーシャルディスタンスを保って授業はもちろんのこと子供を送り迎えするのは大人一人だけとか細かく規定してメディアを通じて周知徹底してきました。さあ子供たちはソーシャルディスタンスを守れるかな?

 持続化給付金関係の詐欺が問題になっている日本ですが、イタリアでもマフィアが復興基金を狙っています。アンサ通信によると「欧州全体で犯罪組織が“経済へ侵入する件数が増加している”ことが明らかになっている、そのためEU加盟国はマフィアが新型コロナ経済危機対策基金に狙いを定めていることを前提として認識するべきだ。ユーロポールのCatherine De Bolleがローマで行われた警察署長の会合でパンデミックに関係した犯罪に関して(中略)De Bolleは不正融資に気を付けてほしいと警告した。EU各国の復興基金は既に犯罪組織の大きなターゲットになっていることはもう明らかだ、これからさらに増えると思われる。」

 新型コロナが引き起こす禍は病気に留まらないということですね。本当にいろいろなことに注意しないとこれからはいけませんね。

 では。 

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