Accademia Italiana

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唐木 麻美 )

「ポストコロナのイタリア ナポリを跋扈する高利貸し、Immuniの効果は?」

 ロックダウンを経てイタリアは新たな感染拡大にかなり敏感になりつつ経済・社会活動を元に戻すために試行錯誤しています。ミラノなど都市部で夜の繁華街は3密状態でノーマスクの人がかなりいる(多くは若者)からでしょうか、マスク着用義務化が検討されています。ロックダウン初期に違反者が続出したので最終的に高額な罰金が導入されてようやく人々は家にいるようになりましたが…既視感を覚えるのは私だけでしょうか。

⑴  経済社会が再始動するにつれて様々な問題が表面化していますが、一つはナポリ市長がFanpage.itの取材に応じて語った「急増する高利貸し被害」です。以下この記事を要約し翻訳しました。

「新型コロナ禍に乗じるカモッラの暴利に苦しむ人が増えている」

 ロックダウンの間ほぼ全ての経済活動は停止したが、カモッラの活動する余地は残っていた。カモッラはこれを好機と莫大な資本を元手に高い利息で融資した。(中略)合法であろうと非合法であろうと犯罪組織は常に麻薬売買や恐喝で得た資金を投資する先を探している。」ナポリ市長は最近数週間の高利貸しの被害者が12%と大幅に増加していると話す。犯罪組織は非合法で得た莫大な資金がある。新型コロナ禍で資金難に陥った会社は高利貸しの標的になりやすい。従来の「高利貸し」だけではない、welfare criminale(犯罪の福祉)と呼ばれる新形態の“融資”もある。後援者として一定の条件で資金を与えるのだ。とても悪質で、こうした“融資”を受けた人は結局返済に追われる、あるいは会社を乗っ取られるのだから。(中略)高利貸しを取り締まるためにナポリ市は予算を確保して格闘しているのだが、問題は犯罪を告発する人に対する市民の反応にある。ある告発者によると「私が告発した時、他の同業者からの最初の反応は敵意だった、私はメカニズムを壊したから」。公共団体が間に入ると被害者たちは保護されているという安心感が強まるのでこのような反応は劇的に好転する。また個人も経済的に困窮し犯罪組織に助けを求めることがあり得る。特にナポリは日雇い労働者が多い地域だ。ロックダウン期間中に収入がなく困窮した人がかなりの低金利あるいは金利なしでお金を借りた人は犯罪者になることと隣り合わせの状態で、犯罪行為に引きずりこまれる可能性がある。(訳ここまで)

 ナポリが舞台の映画にあるような状況を見るようです。数ある都市の中でナポリ特有の現象とも言い切れず(ナポリが際立っていることは否めませんが)、このような事はイタリアの将来に禍根を残すようでイタリア社会全体の劣化が懸念されますね。

 

⑵  感染経路特定アプリImmuniが使用義務化になって2か月、どこまで効果を上げたのでしょうか?以下Ansa通信の記事から要約して翻訳:

「Immuniは当初想定された効果を発揮していない」

 イタリア政府の対新型コロナ対策特別委員会のドメニコ・アルクーリは「Immuniは当初想定された効果を上げていないがキャンペーンは続ける。秋にはもっと機能するだろう」現在イタリアでは約450万人がこのアプリを使用しているが「アプリが効果を発揮するには少なすぎる。感染を地理的に把握し監視する道具として機能するのは難しい」と述べた。Immuniをダウンロードしてスマホにいれた人は450万人弱(数日前の政府発表では410万人)でイタリアの人口の1割にも満たないからだ。「機能しない主な理由にキャンペーンは関係ない。感染サイクルと全体的に気が緩んでいる事とは別の分析可能な事態も関わっている。だがとにかく前進あるのみ。秋になればImmuiは大いに我々の役に立つだろう」とアルクーリは続けた。秋に感染第2波が来ると多くの専門家が予想する、今春ほど狂暴ではないかもしれないが。生物学者エンリコ・ブッチによると感染経路特定アプリが効果的なのは人口の70%がダウンロードする必要がある。オックスフォード大学は少し低めの60%としているが、今の状況では遥か遠い。(訳ここまで)

 Immuniの導入時は感染予防への期待値が高く、鳴り物入りで登場したアプリですけれど、感染ピークが過ぎて一部の人にとっては既に過去の遺物扱いになっている現在ではこんな感じです。秋に来ると言われている第2波が実際にやってきたら競ってアプリを導入するかもしれませんね。

 *先のブログ「武漢ウイルスと感染経路特定アプリImmuni」ではImmuniをImmuiと記していました。大変失礼いたしました。訂正済みです。

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