Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

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唐木 麻美 )

「武漢ウイルス(新型コロナウイルス)の感染ピークを過ぎて」

 4月18日時点のイタリアでの武漢ウイルス感染者は175,925人(前日比+3,491人)、治癒者44,927人(前日比+2,200人)、死者23,227人(前日比+482人)です。感染ピークが過ぎたと言っても感染者は一時期より増えているのはなぜ?という疑問があるかと思います。これは誰でも希望者は有料で武漢ウイルス検査ができるようになったためでしょう。例えばミラノのサン・ラッファエッレ病院では120€(約14,000円)で検査できます。ではなぜ感染ピークが過ぎたと判断されたのかというと、死者数と入院者数が減少しているからですね。

 さて、この簡易検査キットはイタリア製で血液2滴から10分間で判定できるということです。開発した株式会社Dasit Groupは欧州各地(フランス、スペイン、ドイツ)とミラノ近郊に拠点を持つ多国籍企業で、フランスで開発、認証されたこの検査キットは武漢ウイルスの2種類の抗体IgMとIgGを少量の血液から検出できるそうです。検査結果は信頼できるのか、素朴な疑問に答えた記事があったので訳してみましょう。

≪検査キットの信頼性≫

検査の信頼性が問題だ。感染症の専門家でSaccoの医長、ミラノ大学伝染病の教授であるマッシモ・ガッリは「いくつかのテストをして検証しました。IgG抗体ができている入院患者に対する反応は良かったですがIgM抗体は読み取ることができませんでした。いったん病気が進行するいなや血中から消えてしまうのかもしれないし、あるいは検査の感度が読み取るには不十分かもしれません。ですからこの検査は多少なりともはっきりした症状があって自宅にいる感染者を早く特定するために用いることができます。もし検査で陽性であれば隔離してその後の対応を決めることができますから。」(訳ここまで)

感染していれば血中に抗体ができるのでそれを検出する検査キットですが、今後の経済の先行きが不安視される中でどのぐらいのイタリア人が私費で検査しているかちょっと気になります。

 今人々の関心はロックダウンが「いつ」「どのように」解除されるのかということに移りつつあります。厳しい規制があるものの既に本屋、子供用品店、文房具屋は営業再開している所もあります。ラツィオ州ローマでは5月半ばにはレストランやバールが再開できる可能性がある、というニュースもありました。州によって違いがありますが、いずれにしても段階的に再開していく事に違いはないので業種によってはまだしばらく辛抱が続くようですね。仕事再開より前に決まったのが休校措置で9月まで延長になったこと。でも仕事は5月にはほぼ再開予定で、日本でもそうですがイタリア人ママたちも子供の預け先が見つからないと悲鳴をあげています。一応ベビーシッターの補助金など政府から支給されるそうですが、全体からするとこの問題はどちらかと言えば後回しの印象を受けます。最後には孫シッターと化した祖父母があまりの長期間の預かりに倒れてしまうのではないでしょうか。

 自宅隔離中のイタリアでブームになっているのが「バルコニー家庭菜園」で、なんと62%のイタリア人が夢見ているのです。直売農業家連合コルディレッティの調べでは、バルコニーでトマト、ズッキーニ、レタス、バジル、ローズマリー、セージを栽培するのがブームになっていて、スーパーでは花や植物だけでなく種や肥料の売り上げも急上昇しています。大きな不安の中で自宅隔離一か月ですから、植物に触れることで癒される効果があるのでしょう。とはいえ自宅近くのレンタル菜園を利用することはできないので、せめてバルコニーで栽培する人が急増したということですね。こうした傾向はイタリア全国でみられるのですが特にリグーリア州、トスカーナ州、ラツィオ州、バジリカータ州、サルデーニャ島で顕著だということです。実はフルーツの値段が40倍にも上昇しているので、家庭菜園の流行は家計を助けることにもなるでしょう。もっとも自宅隔離が終わると同時に家庭菜園も終了では意味がないですね。

 同じくコルディレッティはイタリアの乾燥に危機感を表明しています。毎年8月ポー平野は乾燥するのですが、今年の4月は記録史上最も熱く8月並みに乾燥しているので農作物への影響を危惧しされています。また収穫期に必要とされる季節労働者は武漢ウイルス対策で国境が閉鎖されていることもあり圧倒的に不足しているため、それを補うための機械や農業クーポン券の必要性を訴えています。農業クーポン券というのは、家にいる休校中の学生や年金生活者、休職を余儀なくされている人などがバイトで収穫を手伝うと貰える一種の交換券でしたが、どうやら実現には遠いようで今はオンラインに力を入れて求人募集をかけています。こうしてみると農家の方々の苦労は日本、イタリア問わず大変です。食卓に並ぶ食べ物とそれを生産する農家の方々に感謝して食したいとしみじみ思わされます。

 それではまた。

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