Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「武漢ウイルス・エピデミックの出口が見えてきた」

 3月31日の武漢ウイルス感染者は105,792人、治癒者15,729人、死者12,428人です。イタリア国立衛生研究所(Iss)は、イタリアは感染のピークに達しつつある、との見解を発表しました。厳しい外出制限措置の効果が出ているようです、今後の問題はどのように規制を緩めるかということのようですね。イタリアには各国から医師団が助っ人に駆けつけていますが、現在まで医療関係の感染者は8,358人で、24時間で595人も増加し66人が殉教しました。懸命に現場で戦っている人が武漢ウイルスに斃れるのは実に悲しい事です。

 子供たちに外出制限を守らせるのは日本もイタリアも大問題で、孫の面倒を引き受けている祖父母は毎日戦争状態になっているとか。そこで政府は「子供たちが両親に付き添われて家の半径500m以内であれば散歩してもいい」という許可を出しました。こんな些事ですら今のイタリアでは大問題になるようで、ロンバルディア州など感染者を多く出している州では「外に出て良いなんて無責任な事を言わないでくれ」と大ブーイングが起きています。数少ないですが、赤ちゃんや10代の若者も命を落としていますから油断は禁物ですからね、この非難は理解できます。

 数日前にFanpage.itに載った記事によると、物価が全般的に高騰しています。パスタ、パン、オイルなどの物価が最高で200%上がりました。もちろんこれは違法なので、呆れるほど高額で販売していたトリノ郊外の店は速攻で免許取り消しになりました。さて、買い占め騒動の折にはスーパーマーケットの棚から真っ先にパスタが姿を消しましたが、実は密かにイタリア人に人気なのがフライドポテトです。昨年同月比で31,3%も売り上げが伸びています。またビール(前年同月比+13,8%)、冷凍ピザ(前年同月比+54,3%)の売り上げも急上昇中です。サラミ、モッツアレラ、チョコレート、シリアル関連など、調理が簡単な食材が売れている一方で袋詰めのカット野菜や果物などの生鮮食品の売れ行きは芳しくありません。カット野菜は日持ちしないことや、野菜を調理するために十分な時間があることが売り上げ不振の理由と見られます。

 エピデミック最中でも好きな人とは会いたい…もっともな欲求です、イタリアは何しろアモーレの国ですし。でも武漢ウイルスはデートの約束事を変えました:今はオンラインで話して、全て終息したら会いましょう。いわゆるイタリア版出会い系サイトアプリでは会員に「実際にデートするのは勧めない、パンデミックが終わって親密な関係に進む前にオンライン上で互いに相手を良く知ろう」と呼びかけています。要はバールに行ってデート相手を見つける時ではない、という事ですね。今の状況を考えれば当たり前ですがアンサ通信で真面目に語られていました。苦しい時だからこそ愛する人が恋しいのはどこも同じということで、FaceTimeやSkypeなどのメッセージアプリではとてもロマンティックなメールがやりとりされているそうです。

 イタリア政府は不要不急の活動を止めましたがF-35戦闘機の生産は再開しました。ピエモンテ州ノヴァラ県カメーリにある工場は200人の従業員を呼び戻して3月30日に生産を再開しました。武漢ウイルスでイタリア人がバタバタ倒れていても軍需産業は前進させるのか、政府の決定に非難の声が挙げられています。今イタリア政府はEU特にメルケル首相に財政援助を必死で訴えています。毎月780€(約93,400円)を各家庭に支給する案が議会で検討されていますが、いずれにせよ財源確保の目途はたっていません。武漢ウイルスを克服して、その後は…?日本同様大変大きな経済危機が噂されています、それを考えれば売れ行き好調な軍需産業は一日も早く再開したいですよね。でも…F-35を買う国も武漢ウイルスでなくなったりして。

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