Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「働きすぎのイタリア人...エッ、本当!?」

 多くの日本人にとって“イタリア人=あまり働かない”という印象が強いのではないでしょうか。確かに労働組合が強い時代は、日本人からすると理解不能なぐらい権利意識が強く、その割に働かない労働者が多くいました。でもこれ、今は違うのです。若年失業率が高止まりし一向に改善の兆しがない中、仕事を得ることができた若い人たちはしっかり働く人が多くなっています。ただし日本のように職場を離れて飲みに行くなどいわゆる飲みにケーションという感覚はありません。人間関係の心の距離というのはしっかり区別されています、同僚は同僚、友達は友達、家族は家族といった具合に。ただし仕事を通じて仲良くなり友達付き合いに発展するケースはたくさんあります、もちろんそうなったら仕事外でも一緒に出かけますね。

 さて、日本でも進む働き方改革、イタリアの向かう先はどこでしょうか。

『休日でも仕事を家に持ち込むイタリア人 ~10人に7人がメールや電話に対応~』

 53%のイタリア人は休日でも働き、38%は休日でも働くことを義務と感じている、この傾向は特にミレニアル世代に多い。

〔家でもつながっている働く人〕

 イタリア人は欧州で最も“スタハノフ的”で労働時間外でも仕事の呼び出し、電話、メールに応じる。労働時間と余暇のバランスを研究するワーク・ライフ・バランスによると、両者は次第にオーバーラップしていく。これをワーク・ライフ・ブレンドという。時間外労働をしないという権利があるにもかかわらず、だ。

〔いつでも“発見可能な”働く人〕  

 Randstad Workmonitorが34か国で行った調査によると、今日ではイタリア人働く人の71%が労働時間外でも仕事のメッセージやネール、電話に対応する。ランキング形式ではEU諸国のなかで3番目に位置し、グローバル平均値より6%高く、旧大陸のなかでイタリアを超える国はポルトガルとルーマニアだ。  

〔比較〕

① 休暇中でも仕事 イタリア人の71%が休日中は仕事から離れて自由だと感じる。この傾向は男性に顕著で、女性66%に対して76%である。だが半数以上(53%、グローバル平均値より10%以上高い)が休暇中でも仕事のために“繋がった”状態にあると告白している。

② 雇用主から受ける圧力 いつも自ら進んで余暇でも仕事に応じる状態にするようしているのではない。雇用主からそうするように強いられることが頻繁にあるからだ。実際、イタリア人の半数以上は会社で従業員が時間外労働をするように求められ(グローバル平均値では56%に対してイタリアでは59%)、また労働時間外でも仕事のメッセージに答えるように求められる(グローバル平均値45%に対して52%)と打ち明けた。 最初の事例でイタリアより数字が高い国は、欧州の国の中ではスペイン(60%)、ルーマニア(65%)、ポルトガル(75%)である。一方2番目の事例ではポルトガル(56%)、ルーマニア(57%)のみである。  

 会社内では、男性の63%が時間外労働をする、58%が休暇中でも返信する、これは女性の数字各55%と47%と比べて高い。また45歳以下の働く人65%が時間外労働をし、59%が返信をする、これに対してシニア世代働く人の数字は各52%と43%である。

〔不完全なワーク・ライフ・バランス〕

 労働時間が拡張し私生活を圧迫するという仮定はすでに現実になっている。また日頃から労働時間内に個人的な用事を片付けるのはイタリア人のわずか54%、この数字は各国のランキングで最後に位置し、平均より13%も少ない。

 こうした傾向は女性に顕著(56%)で45歳以下では62%になる。一方こうしたことを嫌うのは男性で52%、シニア世代では44%が嫌悪している。

 Randstad Italiaのチーフ・ヒューマン・オフィサーは「働き方は変わりつつあり、それはチャンスですが、同時に働く人が過度な圧力を受けストレスを感じる危険があります。生産性を高めるためにモチベーションと雇用契約を巧みに使い、仕事外の時間を尊重しつつ成果を基に従業員を評価する、企業はこの両面に柔軟に対応するようにしなければいけません。」とコメントした。

                       Il Sole 24 Ore 紙から(訳ここまで)

 ところで記事中に出てくる“勤務時間外に仕事の電話やSMS、メールに応対する人の割合を記した国別ランキング”の1位、つまり労働時間外に働いている人の割合が最も高かった国は、1位中国(89%)、2位インド(88%)、3位トルコ(82%)、4位シンガポール(76%)でイタリアはアジアを含めた対象国全体では8位。このランキングにはもちろん日本も入っています。大方の予想を裏切って日本は59%で24位と平均値65%を下回っているのですね。意外でしたか?

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