コラム

「反サルヴィーニ抗議運動”サルディーネsardine”は来年の選挙でダークホースになるか?」

karakimami

 最近イタリア各地で反サルヴィーニのフラッシュモブが盛んになっています。彼らのシンボルはサルディーネ(イタリア語でイワシを意味する名詞sardinaの複数形)で、サルヴィーニとサルディーネの発音が似ているため語呂合わせ的に使われているのかと思いきや、実は深い意味があります。抗議活動の参加者はサーディンの缶詰やイラストなどを手にして広場に集まり、反北部同盟の意志を明確に示します。この抗議活動にイタリア人以外に移民たちも参加し、7日ナポリで行われた移民200人が参加しました。ミラノではドゥオモ広場で2万5千人が集結するなど静かな抗議活動はイタリア全土に広がりつつあります。

 2020年にはイタリアの8州で州議会選挙があり、1月26日のエミリア・ロマーニャ州議会選挙を皮切りに次々と選挙が続くわけですが、サルディーネたちは単なる抗議活動から明確な政治的主張をする集団に変わるのか、興味深く見られています。では、そもそもどのような経緯で生まれたのか様々なメディアが言及していますが、ここではパノラマ誌を見てみましょう。

『サルディーネは誰?どこで生まれたの?何をしたいの?』

 サルディーネ運動は本物の社会運動で、マッテオ・サルヴィーニ率いる北部同盟党の政治集会に反対する形で数週間前にボローニャで誕生した。

① サルディーネとは誰のことか?

 サルディーネとは誰で、どのような経緯で誕生したのか?またイタリアの運命を変えるために何をしたいのか? サルディーネは遡ぼる事数週間前の2019年11月14日、マッテオ・サルヴィーニに反対する運動に自発的に参加するイタリア人のこと。 名前の由来は“イワシ(サーディン)のようにギュウギュウ詰めになって”という言い回しにあり、目的を完遂するために手を取り合うという哲学のシンボルである。 さらにこの名称は、魚は話さないという特徴を通して抗議活動のオーガナイザーたちが政治集会でわめきたてる人に対抗するという意図を仄めかしている。 ボローニャで誕生したサルディーネはイタリア各地で続々と表明されつつある抗議活動という反響を呼んだ。

② どこで生まれたの?

 サルディーネ運動の旗振り役はマッティア・サントーリ(32歳)、政治学で学位を取得した。彼はパラドッツァ(ボローニャ)で開催された北部同盟の政治集会(ルチア・ボルゴンゾーニの選挙活動)に反対の意思を示すために反サルヴィーニ運動を組織することを決めた。 抗議活動を組織するためにサントーリはシェアハウスの元住人だった3人と契約した:理学療法士ジュリア・トラッポローニ(30歳):リサイクルに従事するエンジニア、ロベルト・モロッティ(31歳):旅行ガイドアンドレア・ガレッファ(30歳) 6日間にわたって同年代の4人で、魚の屋台を作りビラを配ってネット上に彼のアイデアを広めるプロモーションを行った。プロモーション活動で段ボールにイワシを描くサルディーネたちのシンボルが魚の屋台を通じて広まった。 2019年11月14日、ボローニャのマッジョーレ広場でオーガナイザーが迎えた抗議運動賛同者の数は予想の6000人ではなく1万1千人だった。

③ 何をしたいの?  

 サルディーネによる政治的マニフェストは存在しない。政党でもない。抗議活動の第1の目的は北部同盟の党首マッテオ・サルヴィーニへ不賛成の意志を表明することで、それは自明の事である。またポピュリズムの概念全般にも反対である。 

                             (訳ここまで)

 もともとはイタリア南部からの独立を標榜していた北部同盟、与党の座を去るも選挙で大勝し鼻息が荒い政党です。反移民主義のため支持率が最も高い政党である一方、嫌悪されるのも並大抵ではありません。実はイタリア人の70%近くがTVで放送される政治屋たちによる政治リアリティを見せられるのにうんざりして強いリーダーを求めているとのアンケート結果が先日各紙の紙面を賑わせました。ころころ変わり、リーダーシップに欠ける現政府にイタリア国民が希望を失っているのが、投票率の低さにも表れています。そのような中でサルヴィーニのはっきりした政治的主張が頼もしく映ることは否定できません。さあ、来年の選挙はどうなるのでしょうか。

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