Accademia Italiana

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唐木 麻美 )

「カトリックのペドフィリア、宗教への信頼を破壊する」

 日本ではカトリック信者が少ないのであまり話題になりませんが、イタリアではヴァチカン初のサミットが開かれたという事でかなり話題になりました。サミットの議題はもちろん、ペドフィリアです。

実はこのペドフィリア・スキャンダル、全体像が見えてきたらコラムで取り上げたいと考えていました。でも一向に終わらないのです。今回取り上げた記事にあるように同様の事件が年を追うごとにどんどん明るみに出ているのです。まさに次から次へと出てくる事件の数々に神経が鈍くなってしまうほど。神父が身寄りのない少女の面倒をみて、ついでに15歳の時から13年間不適切な関係を強要して3回中絶させたとか、列車でのレイプ事件の犯人は神父だったとか、もうそんな事件がごろごろ出てきます。はたしてヴァチカンはガラガラ音を立てて崩れていく信頼をどう取り戻すのでしょうか?

かなり読みにくいのですが中間報告のような形で今までの事件をまとめた記事だったので一部翻訳します。

『フランシスコ教皇就任以来、小児性愛に関する新たな告発は2200件』

聖職者がおぞましい悪徳を犯す一方で、教理聖省の公式データによると2017年だけで410以上の“信じるに足る”告発があった。2013年から今日まで平均して毎日、新しい児童性愛者の司祭が出てくる。教皇は2016年に16人の聖職者を還俗した。 フランシスコ教皇の要望によりカトリック聖職者の児童性愛に関するサミットが4日間にわたって開かれた。各司教長は僧服をまとった人食い鬼の犠牲者の幾つかの悲劇的な話を聞いた。

児童性愛者の僧侶たちは“mea culpa”(ラテン語、イタリア語のper mia colpa「私の罪」の意味。カトリックでは「犯した罪にたいする責任を自覚している」となる。日本語での意味は「不徳」)を犯した。教会への信頼を破壊しつつあるこの現象を根絶するための新しいガイドラインを提案する。 それはそれとして、サミットの4日間に教理聖省に新しい“信じるに足る”告発が5件、5人の聖職者に対して起こされた。告発内容は何れも未成年者への性的虐待だ。

公式データを読む限り過去に指摘されて追放された件だけにとどまらない現象のようだ。反対に児童性愛の問題は今日では大きな一角を占め、フランシスコ教皇が就任以来2013年3月~2018年12月31日までヴァチカンに世界中から2200件を少し上回る数の告発が起こされている。平均して一日に1,2件のペースだ。 この動向は印象的だ。告発件数は2005年~2009年の5年間と比べて2倍になった。ボストン・グローブ紙が2001年に暴いた“スポットライト 世紀のスクープ”(映画化は2015年)の反響があった時でも、年200件にかろうじて届く数だった。 2010年以降、告発は倍増している。もちろん、犠牲者側が教会裁判により大きな信頼を寄せているということの証かもしれない。

だが15年前にベネディクト16世から始まりフランシスコ教皇が続けて“ゼロ・トレランス”(小さな悪事であろうと容赦なく罰すること)を通達したにもかかわらず、この告発現象は執拗に続いている。 聖省の風紀取締局の報告書によると2017年には、ローマに届いた“信頼に足る”告発は410件以上で、未成年者と第6の戒律を犯した僧侶に対する教会裁判を開かなければならなかった。すでに現場で司教たちが精査し真偽を見極め、告発が確認され次第司教たちはヴァチカンにファイルを送る義務がある。 正確を期すため、教理聖省ではLuis Ladaria枢機卿が率いる風紀取締局の局員が起訴断念か推定犯罪者に対する教会裁判を開くかを決める。 ヴァチカンの資料にざっと目を通すと、2016年告発件数は415件だった。同年、フランシスコ教皇は聖職者数人を還俗させてヴァチカンから放逐した:教理聖省から出された143件に対して僅か16人の聖職者が還俗させられただけだった。残りの127件は「あらゆる聖職者の義務からの免除」になった。

フランシスコ教皇が就任以来6年間に何人還俗させたのかは分からない。だが2011年と2012年だけで教皇は各年125人と67人を現世に戻した。 還俗した聖職者16人の動機や名前は全く分からない、全員起訴されて聖省裁判所で裁判され裁定が下されたが“永遠の思慮分別”によって保護されている。ヴァチカンの情報源は小紙に教皇が保証した聖省の対策を説明した「ほぼ全ての性犯罪を認める、他の違法行為に対しては聖省が対策を取っているから」。一般に特殊なケースのみ、例えばTheodore MacCarrick元枢機卿(2019年2月13日 未成年、成年への性的虐待でヴァチカンを放逐された)の事件ではアメリカの法廷で児童性愛の罪で起訴後教会が彼を追放し、ヴァチカンは公式に判決を公表した。 2015年、児童に対する性行為での告訴は518件になった。2014年は500件、2013年は401件だった。 全事件で、犠牲者の名前のみならず推定犯人の名前までも“教皇の秘密下”に置かれた。“永遠の思慮分別”の下で守られているということ。ヴァチカンで働く人でこの話をする人は仕事を失うどころか破門されるリスクも負う。永久不変の規則を理由に、2015年Mauro Inzoli神父の起訴行為フランシスコ教皇が統治するヴァチカンはクレモーナの検事局で否認した。司法共助依頼が失敗したが、問題の神父はすでに聖省において児童性愛者で有罪になり、イタリアの司法では4年7カ月の刑に処されている。 一方2018年10月、管轄する大司教管区で犯した不法行為を黙殺した罪で起訴された権力者Philippe barbarin枢機卿の裁判のために、フランス人裁判官によって召喚されたLadaria枢機卿の特赦をヴァチカンは嘆願した。

【こうして枢機卿は児童性愛者の神父を匿った】

2日前、フランシスコ教皇はLadariaを聖省長官に任命した。教皇が児童性愛の戦いには内気すぎると考えたドイツ人Mullerの後任だ。だが聖省の新しい長官は2012年還俗されたばかりの精神障害の司祭を前に“聖職者同士のスキャンダルを防ぐ”ために沈黙を命じた。こうして人食い鬼は誰にも邪魔されることなく他の子供たちをレイプし続けた(中略) 楽観主義者たちは日曜日にヴァチカンが重要な声明を発表してサミットが成果を上げることを願っている…

                                (訳ここまで)

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