Accademia Italiana

本格的に学びたい方のためのイタリア語教室。アカデミア イタリアーナ

RUBRICA イタリアに関する情報とコラムをお知らせします。 時々イタリアでないことも。

唐木 麻美 )

「困難に囲まれるイタリアのママたち」

花屋の店頭に所狭しと花が並び、母の日が終わりました。売れ残った花はセールで捌かれるのでしょう。

さて、この時期定期的に記事になるイタリアの出生率低下と母親業の大変さですが、今年は低下する一方の子供の数に歯止めをかけようとするセーブ・ザ・チルドレンの試みを取り上げたFanpageの記事です。イタリアと日本は遠い国ですが、この点では既視感を覚える方々も多いのではないでしょうか。

『困難に囲まれるイタリアのママたち』

~仕事のキャリアと家族、どちらかを選ぶよう強制されるのは常に女性~

セーブ・ザ・チルドレンの研究所がイタリア在住ママたちの状況を分析した。イタリアの中でもカンパーニア州では母親でいる事はとりわけ難しい、福祉が十分ではないからだ。Fiocchi in Ospedale(病院で結ぶ蝶ネクタイすなわち病院で結ぶ良縁の意味)プロジェクトが、妊娠中の女性を支えるための窓口を9つの病院内に設置し始動した。 母親業は周知のごとく放り出したり休みを取ったりすることは許されないフルタイムの仕事だが、イタリアでは様々な悪条件が重なってより一層複雑になっている。イタリアはヨーロッパの中で女性の初産年齢が平均31歳と最も高い。

セーブ・ザ・チルドレンが行った調査“Le Equilibriste”(曲芸師すなわち仕事と家庭を両立する女性の意味)によると、イタリアで母になることは仕事と家庭を両立させようとする中で困難に直面する。現在専門職のキャリアを諦めるように強いられる女性はますます増えている:25歳~49歳で少なくとも子供を一人持つ女性の37%は仕事をしていない、家事をするために家の外で仕事をすることができない状況にあることが無職の理由である事もしばしばだ。このプロジェクトでは女性の就業率が史上最低な状況(失業率は欧州で最も高い)にあり女性たちの肩に重くのしかかる負担(特に南部の女性)を明らかにする。カンパーニア州が最も悲惨な状況だが一方ボルツァーノやトレントの働くママは恵まれた環境にある。

“イタリアは母親に対する保健活動に関して最も進んだ国々が並ぶ地域に位置します。しかし保健環境に限っても著しい地域差があり、より広義では出産は私生活と仕事を両立させようと真剣に取り組む母親にとって未だに戦いなのです”とセーブ・ザ・チルドレンの欧州イタリア計画委員長ラファエッラ・ミラノは強調する。

一番の欠点は赤ちゃんを対象にしたアシスタント・ネットワークが貧弱な事だ。出生率低下の新記録を更新した国であるのに(2008年から9年連続減少を記録)、母になることを決めた女性への支援はあったとしても結果として不十分である。イタリアでは一人の女性が持つ子供の数は少なく、平均で1,34人だ。仕事上の差別や家庭での父母の負担が著しくアンバランスなことは考慮していない。

長期間の本質的な変化(訳注:出生率減少のこと)を被らなかった州の順位は、トレントとボルツァーノの自治州でそれぞれ1位と2位についている。続いてヴァッレ・ダオスタ州(3位)、エミリア=ロマーニャ州(4位)、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州(5位)ピエモンテ州(6位)となっている。ボルツァーノとトレントは首位を守っているだけでなく状況が改善している。一方でエミリア=ロマーニャ州は2008年の首位から2018年には4位になったのは寓意的だ。

南部地域は順位の最後に位置し、カンパーニア州は2008年を比べて順位を2つも落として最も“mother friendly”ではない州になり、シチリアは20位、カラブリア州19位(2008年比でポジションを2つ上げたのだが)、プーリア州18位、バジリカータ州は17位。

このためセーブ・ザ・チルドレンは妊娠中の女性と新生児を具体的に支援するためのプロジェクトを進めている。2012年からイタリア国内の8か所の病院でその分野の専門家を新ママやプレママに引き合わせアドバイスや指示を得ることができるプロジェクト“Fiocchi in Ospedale”を始めた。窓口があるのはSacco病院(ミラノ)、Niguarda病院(ミラノ)、Cardarelli病院(ナポリ)、Maria Vittoria病院(トリノ)、Bari総合病院(バーリ)、San Camillo病院(ローマ)、San Giovanni病院(ローマ)、Gemelli病院(ローマ)。記事の前日にはサッサリ(サルデーニャ)のSan Pietro病院でも窓口が開かれた。

ラファエッラは“新生児の数が徐々に減っていく私たちのような国が、母親が家庭と専門職を両立させて子供を養育する事に困難を一人で抱え込まざるを得ない状況を誇張では全くなくこれほど軽く見ることを許容できません。新生児の最初の“1000日間”が成長の土台になるという事が分かっています。赤ちゃんにとってこれほど重要な時期にもかかわらず公的補助が足りない”と断言する。

                                                                                                             (訳ここまで)

↑ ページトップへ