コラム

「イタリア国立統計局発表、2017年の年間推計」

karakimami

2018年最初のコラムでは、昨年の12月27日に発表された2017年の年間推計を見てみましょう。イタリアの現状を知るデータが出ています。個人的な感想ですがマフィアの犯罪が減っていることが意外でしたがイタリアは地下経済の規模がなかなか大きく、明らかになっていない犯罪や未解決の犯罪を考慮すると、一見して犯罪数が減ったことに単純に喜ぶこともできないかと思う次第です。

『イタリア国立統計研究所調べ:長い人生を抱えた独身のイタリア、私たちは世界で最も年寄りの国にいる』

2017年の年間推計は私たちがどのように変わったのか映し出す:3家族のうち1家族は単身家庭で出産数は減少、一方で人生は長く。貧困者は約500万人、移民は8%。大都市での生活費は月500€(約68,000円)以上。

問)イタリアはどんな国か?

答)独身の国、政治にはあまり興味がないけれど1~10の満足度で言えば7を付ける程度にこの1年間(2017年)に満足している。長生きが約束された人生:実際私たちは結婚が回復しつつある世界中で最も古い国の一つ。

私たちの国がどう変わるのかを記した国立統計研究所の2017年の年間推計(1016年度との比較)を見る。

【シングル】

単身家庭は20,5%から31,6%に増加、5人以上の家庭は8,1%から5,4%へ減少。国立研究所の説明では過去20年間に一家庭の構成人数の平均は2,7人(1995年~1996年の平均値)から2,4人(2015年~2016年の平均値)と減った。

【出生率と平均寿命】

2016年に生まれた新生児は-12,342人で前年より少ない。母親の出産年齢は一層高くなり、一人の女性が生涯で生む子供の数は平均1,35人だが、外国人の若い母親の数は増えていると見なす。国際的な水準ではイタリアはヨーロッパの順位で下から6番目に位置する。出生率が最も低いのはポルトガル1,31人、一方でフランスは1,96人で一番多産である。平均寿命に関しては立ち踏みしていた前年と比較して男性は80,1~80,6歳、女性84,6~85,1歳と延びた。

【1~10で表す満足度では7】

2015年と比較して好転している。0~10の点数形式で、平均は7点だった。最高点を付ける人が減っているにもかかわらず、家族や友人との関係で満足を示す人の割合が大幅に増え、また経済状況においても満足している人の割合が増えた。当面は前年と比べて経済状況が悪くなったと判断する家庭の割合が減少する傾向が続く一方で経済状況に変化なしと考える家庭が増えている。

【人口は減る】

2016年12月31日にイタリア在住の国民は6058万9445人(男2944万5741人、女3114万3704人)、2016年の年始と比べて7万6千人以上減っている。地域別では南部と島部の年間減少の割合は最も大きく-0,3%:前年に最も住人が多かった(26,6%)ところは北西部で16,103,882人だった。単身家庭は20,5%から31,6%と増加、今や3家族に1家族が単身家庭で、5人以上の家庭は8,1%から5,4%に減少した。

【離婚より結婚が増えている】

結婚数は2014年の18万9765組から2015年の19万4377組と増えて、その結果結婚率も1000人につき3,1から3,2に改善した(島部の結婚率は3,8と最も高い)。だが離婚数は2014年52,355組から2015年82,469組へ著しく増加。国立統計研究所発表の2017年の年間推計で明らかになったのは、離婚の増加は2015年半ばに施行された“簡単離婚”(訳注:イタリアでは離婚に何年もかかったが、それを短くできるように改正した)の影響で離婚数の増加は固く推移していること。

【政治活動は低下】

間接的であれ直接的であれ市民が政治に参加することは久しく前から低下している:14歳以上の人口では4,3%のみが支持政党を表明し、かろうじて0,8%の人が各政党で無料奉仕活動を行った。全体の著しく大きな割合の人々は、2015年と比べて割合そのものも減少したが間接的に政治活動に参加している一方で4人に1人は政治に全く関心がない。

【都市の生活費】

国立統計研究所は“都市部に居住する家族の平均支出は28万9921€(約393万3千円)”また人口5万人(2,407€(約32万7千円))未満の市町村と比較した場合491€(67,000円)支出が増える。2016年では都市部の家族と中小の地方自治体の家族の平均月間支出の差は約500€(6万8千円)である。

【外国人定住者】

2017年元旦の時点で外国人居住者は504万7028人で全住人の8,3%である(0,4%増加)。出身地別で前年と比較すると、イタリア在住の外国人の大部分(30,5%)はEU出身で、中欧~東欧出身者(21,0%)が続き、アフリカ北部出身者(12,9%)となる。北東イタリアでのみ、中欧~東欧出身者の割合が28,6%と最も高くなる。

【貧困、多くの家庭が危機にある】

2016年のイタリアには絶対的貧困家庭数は1600万で、総数474万2千人で人口の7,9%を占める。前年比では状況が悪化した家庭は夥しい数に上り、とりわけ3人以上の子供(未成年)がいる家庭は2015年18,3%から2016年は26,8%に増加した。まさに経済危機が若年層を直撃している:絶対的貧困の影響は未成年者で増加(12,5%)し、129万2千人の若者に影響している一方18歳~34歳の年齢層の10%にも影響し、64歳以上への影響は最小で3,8%。4700万人以上の貧困者のうち200万以上が南部在住で245万8千人は女性。データは学歴に左右される:高校卒業者の家庭が4%に対して小学校卒業者の家庭は8,2%と貧困率が上昇する。

【文化と博物館・美術館】

2016年では6歳以上の人口の66,3%が余暇に以下の活動を少なくとも一つ行った:博物館及び美術館、考古学遺跡、考古学建造物を訪れる、クラシック音楽あるいは他のジャンルのコンサートに行く、公演を見る、映画館に行く、スポーツ観戦や踊りに行く。2016年の国立博物館・美術館の来場者数は2015年比5%増の4550万人だった。

【病院の病床数は減少】

在宅介護では病床数は増加している(2013年~2015年で4,4%増)一方で病院の病床数は減少、特に救急病院での病床数が減っている。州によって病院のサービスに違いが残存する:住人1千人に対して規定された病床数は南部に比べて北部が上回っている。

【スポーツ、女性は家にこもりがち】

特定のスポーツをしていなくても何某かの体を動かす活動をしている人(最低2㎞歩く、泳ぐ、自転車で行くなど)の割合は25,7%で2015年の数値と比べて1%減少。運動しない人(スポーツや余暇に体を動かす活動をしない人)の割合は39,2%で男性に比べて女性に多い:男性の34,8%に比べて女性の43,4%がまったく体を動かさない。

【国民病】

循環器系の病気と腫瘍はイタリア人の死因の2大要因である:66%の死者の死因である。循環器系の病気は10万人に396,6人の割合と女性の死因の筆頭に位置し、2番目は腫瘍である(10万人に248,9人)。一方男性の死因では1番は腫瘍(10万人に337,1人)で循環器系は2番目に位置する(10万人に325,7人)。

【刑務所と囚人は増加】

2010年~2015年間で-23,2%と大幅に減少したが、2016年の囚人数は2015年と比べて4,8%増で5万4653人(2016年末)だった。 【殺人は減少、窃盗と詐欺は増加】 犯罪は前年比-4,5%、268万7249件で減少した。特に“人に対する犯罪”が減った:故意の殺人は-1,3%、より詳しくはマフィアの犯罪は現在全体の9,2%を占める(19,3%だった2004年と比較すると1/2以下に)、殺人未遂は-3,8%、性暴力は-6,0%、傷害罪は-3,2%である。財産に対する犯罪は2014年と比較して減少傾向にあり、盗難と強盗はそれぞれ-7,0%、-10,6%で、贓物収受隠匿罪は-7,6%、だが恐喝は前年比+19,7%と明らかに増えている(最近の5年間で60%以上増加)。詐欺とネット上の不正行為も増えている(+8,8%)。

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