Accademia Italiana

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唐木 麻美 )

「なぜイタリアは未だにテロの攻撃を受けないのか?」

Iisisに脅される常連国、イタリア。

ヴァチカンがローマにあることからもイタリアはイスラム過激派テロの攻撃対象に選ばれやすいという事は、誰でも容易に想像できるでしょう。でも不思議なことに今までテロは起きていません。もっともテロ容疑者は年間で百人前後は逮捕されます(半数は外国人ファイターと言われている)。神の代理人がいるから神のご加護でテロから守られている…ではなく理論的な理由があるという視点で分析したのがイギリス紙ザ・ガーディアンで、その記事がイタリアのFanpage.itで紹介されたのでここで取り上げたいと思います。

『なぜイタリアはまだテロリストの攻撃を受けないのか?』

イギリス紙ザ・ガーディアンが詳細な分析をし、この特異な問いの答えに迫る。なぜ今日に至るまでイタリアはイスラム教徒のテロ隊から攻撃を受けないのか?

様々な専門家によると理由は複雑で“鉛の時代”(1960年代~1980年代にかけてイタリアでテロが頻発した時代の通称)にイタリアは対テロに関する多くの経験を積んだだけでなく、国を特徴付ける国民の裏の密接な関係に関しても熟知するようになったため、それがイタリアをフランスやベルギーとは違ったものにしているという。 多くの人々が同様の疑問を持つ:どんな理由でイタリアは今日までテロの攻撃を受けなかったのか、この瞬間にもテロはヨーロッパの様々な国を攻撃しているというのに?

ザ・ガーディアン紙は6月23日に公表した分析を基に専門家に意見を訊きイタリアの現代史を回想しつつ、この疑問に答えを出そうと試みた。記事はイタリアから行動を起こした最近のテロを例に出して始まる。

Youssef Zaghba 22歳(モロッコ系イタリア人)はロンドンブリッジの3人のテロリストの一人と警察の即座に特定された。「Youssef Zaghbaがボローニャを通るたびに、空港で誰かが彼を待っている。Zaghbaが当局の監視下に置かれていたということだがこれはイタリアでは秘密ではなかった。」「彼らはZaghbaに話に来た。そして彼の滞在中、警察官が日に2~3度見回りに来る。警官たちは彼に友好的だった。警官たちは「よう、若い奴、最近何をしたか言ってごらん。一体どうしたんだ?どんな具合だ?」と声をかけたとYouseefの母Valeria Collinaは語る。

イタリア警察長官Franco Gabrielliは、ロンドンブリッジでのテロ攻撃後Zaghbaに関してイタリアが警戒態勢を敷いたことを明らかにしたがスコットランドヤードはZaghbaは“MI5からも警察からも注意人物と見なされていなかった”と強調した。

ザ・ガーディアンによると様々な要素から派生する一種の免疫がテロを防ぐ理由である、例えば政治テロが幾多の攻撃をして国を引き裂いた鉛の時代にイタリアは対テロの多くの経験を積んだこと:「イタリアのテロの時代は私たちにとってとても厳しい授業でした。諜報と軍や警察の共同作戦のレベルで定期的に情報交換をすることの重要性をあの時代に学んだのです。予防は対テロの有効な手段です」と2012年から2016年までDis(国防諜報局)の総局長だったGiampiero Massoloがザ・ガーディアン紙に説明した。

だがもちろん1970年代から80年代にかけて磨かれた経験だけがイタリアをテロから救っているのではない、同紙は事実フランスやベルギーとは全く異なった現代イタリアの構造にも重点を置いている。「もう一つの別の特徴は領土の管理が優れている事。この点からパリの郊外に匹敵する場所はイタリアの大都市にはなく、中小規模の街の統治は状況をモニター監視することでより容易になっている」とMassoloは説明した。

そこでザ・ガーディアンは専門家に意見を求めたところ、上記2つが主だった理由だがそれだけではない。人口の点でもイタリアは他の欧州の国と違って“過激化するあるいはそうなる可能性がある移民第2世代で構成されているグループがいないこと”だと対テロ政治専門家のFrancesca Galliは説明する。

要するに自称イスラム国の攻撃的なプロパガンダに感化されやすい第2世代や第3世代のイタリア人がいないことで、イタリア当局は“危険となったら真っ先に国外に追放することができる”イタリア国籍を持たない人たちに捜査の焦点を合わせることができる、とIspi(国際支持研究所)のArturo Varvelliは説明する。

しかも専門家によれば電話傍受の活用はテロの危険をなくす可能性がある。実際イタリアでは英国と違って傍受はマフィアやテロを裁く際に法廷で証拠として採用されている、疑わしいあるいは確証が得られない活動拠点を探るために用いられる。

“テロリストの網に潜入し撲滅することは社会関係から果ては大変密接な家族関係に至るまでの断絶を要求する、まさにカモッラやコーザ・ノストラやンドラゲタへの戦いと同じことだ。ジハディストと疑われる人物はグループから離れるように励まされ、イタリア当局は居住許可証や他の奨励金を使って彼が当局に協力するように促す。同時にテロの容疑者を拘置する危険性、刑務所が過激派とその新規募集のための特に肥沃に満ちた大地なる可能性も十分に自覚している。私たちはある種の犯罪ネットワークに対峙する経験を持ち、また情報傍受の大掛かりな仕事をする覆面捜査官が数多くいる”とFrancesca Galliは説明する。

                              (訳ここまで)

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