コラム

「ジェラートが美味しい季節」

karakimami

暑い夏、ジェラートが美味しい季節になりました。イタリアのジェラートは日本でもすっかりお馴染みになりました。他の料理同様にジェラートも以前よりずっと健康志向になっているように感じます。今年イタリアやパリに行く人にも是非参考にしてほしい記事があったので、今回はそれを読みましょう。

「ジェラート、夏の冷たくて美味しいデザート」

手作り、健康的、そして美味しい。ミラノ、フィレンツェ、パリでバカンス(もちろんバカンスだけではないけれど)のお伴にぴったりの味とコーンを選ぼう。

ジェラートの店で一体何回“artigianale手作り”の表示を見るか?

一体何回その表示が本当だと断言できるのか?

イタリアには4万店(こんなにジェラテリアがある国は世界でイタリアだけ)ものジェラテリアがあるが、イタリアの長い伝統を引き継いで高品質のジェラートを提供するのはその中でほんの数パーセントの店に過ぎない。品質にちょっと劣る外国産のこと脇に置いておいておく。

夏の暑い盛り、ちょうどジェラートの消費量がピークを迎える時期にこのジェラート問題をはっきりさせるにはちょうど良い。

さて、法律は助けになるか?

法律は消費者がこの問題を解決するためには役に立たない、否むしろ悪質な情報を消費者に提供する。特に他のハイクオリティのmade in Italy製品のように、原材料に規制がない状況では。

ジェラテリアの多くはベース食材にヘーゼルナッツあるいはピスタチオのペーストをブレンドしたものを使っている(納入業者の信用度次第だが、それ自体は悪いことではない)。またある店では粉末状の物を水で溶いて使っているし、またある店ではジェラートを作る場所すらなくて、あらかじめ作られたジェラートを購入して販売しているところもある。このようなジェラテリアでも各自それぞれ“手作り”と称することができるのだ。

「厨房のないレストランを開くようなもの、完全なパラドックス」とシモーネ・ボニーニは言う。シモーネはジェラテリアCarapinaの創立者、2008年にフィレンツェのオベルダン広場にCarapinaを開いて閑静な市場に衝撃を与えた。2010年には2店目をランベルテスカ通りに開店し、2014年にはローマにも進出した。彼こそが真面目に“手作り”のジェラートを作る、良識と清廉さの手本で、“artigianale”という言葉を人を欺くために使うことは決してないだろう。シモーネは何年も(塩味とイタリア製チーズを使って)“食通の”デザートを改良し、大勢のシェフと共に働いてきた。

彼曰く「僕はジェラートを正真正銘の一つの料理として扱っている」そして「基本的な調理過程を厳密に守っている」:新鮮なミルクを低温殺菌処理すること、フルーツ加工の作業、それぞれはっきり違った味が出るようにそれぞれのレシピに対応した煮詰める作業の徹底した管理。高品質のジェラートはある金額以下では売れない。」

ジェラートが並ぶ保冷棚に並ぶ鋼鉄製の容器に記してあるネーミングを選ぶにあたって、意味を失いつつある言葉を正当と認めさせたいと考えた。「Carapinaは品質を保証するだけでなく、材料とレシピを保証する言葉だ。工業は悪賢く立ち回って職人の世界を利用してきた。だが僕たちは大地の新鮮な食材を提供する証人であらねばならない、会社の一部門で生産した物や機械で作る物を消費者に提供するのではなく。」ここにシモーネが「Il gelato a modo mio僕のやり方のジェラート」を書いた理由がある。この本はGiunti社から数週間後に出版される。季節の食材を使い、それらを正しく組み合わせて一年を通して健康的なジェラートを作る方法を学ぶために役に立つ。10月にはパニーノと組み合わせた創作ジェラートをお披露目するためにCaprapinaトラックに乗ってツアーに出る。最初の目的地はミラノだ。

ミラノの中心地にはジェラート愛好家が愛する店に事欠かない。Vittoria BortolazzoはロンドンのLe Cordon Bleuを修了したあと、ショコラティエのWilliam Curleyのもとで修業し、Accademia Volrhonaの専門課程を修了したのち、僅か22歳で2009年にGelato Giustoを開いた。NYに拠点があるにもかかわらず、常に腕磨きに余念のないこの若者はサン・グレゴリオ通りの厨房に留まっている。

ショーウインドーにはたった16種の味(冬場には12種にまで減る):「それぞれの味は特有のケアが必要なんだ。同じ注意を払って多くの製品を作ることはできないと思うよ。もしできたら工場生産の製品になってしまうだろうね。ジェラートは毎日の出来立てが良い、なぜなら24時間たつと味覚が変化してしまうから。だから作って3日たったものを売ることは絶対にしないと思う。あいにくジェラテリアの中には夜にジェラートを溶かして再び泡立てることをする店もある。これはバクテリアを増殖させてしまい、健康には良くない。」

“正しい”ジェラートは一体どうあるべきなのか?と彼に尋ねた。

「脂肪は少なく、甘みも少なく。甘いジェラートではミルクティーのように繊細な味を味わうことができない。中に入っている食材を際立たせる無個性で澄んだジェラートが必要だ。」 パティシエの経験とフランスでの経験を基に、まるでリコッタのように、アンズ+アマレット、あるいはシナモン+ピスタチオ+クロスグリの製造過程を強調する。そしてバジル、ラベンダーあるいはシナノキといった季節のハーブを使った味もある、彼曰く「幼いころを思い出す甘ったるい味が特徴だ」。

ジェラートが心を揺さぶる、そう考えるのはOtalegのMarco Radicioni(ジェラートでは正反対に位置するが)も同じだ。Otalegは2012年6月にローマに開店したジェラテリアで厨房が見渡せるようになっている。開店するやすぐに、Manassei della Gerateria dei GracchiからTorcè de Il Gelatoまで、Spagnuolo di Fatamorgana からBenelli de La Gourmandiseまでイタリアの首都の有名なジェラテリアと並び称されるまでになった。

「食べ物は人を子供に還らせる」そうRadicioniは断言する。そして「それは健康的でなければならず、我々の基本だと考えている。僕たち自身が正直であらねばならず、客に大きすぎる責任を負わせることはしないし、僕たちの心がけていることにばかげた大金を払わせることはしない。」

誰が本物の職人か?との問いには、

「高品質のジェラートを作るために追求すること、技術を磨くこと、道徳的に正直であること、このような条件を満たした人が本物の職人だ。でも自分の経験を伝える才能がある人もいる。最初僕は自分の厨房で嫉妬深かった、でも他の人たちと仕事をするようになって僕の製品は良くなったんだ。」

一年半前Radicioniはパリのサン・ジェルマン・デ・プレにIl gelato del Marchese(侯爵のジェラートを意味する。出資者は貴族だから)を開店し、7月からボン・マルシェ百貨店に出店する。「僕たちは塩味も持って行った、はちみつとバジルを合わせたペコリーノチーズみたいにね。教養豊かで慎重なパリの人たちの反応は上々だったよ。幾つかの有名レストランでも僕たちのジェラートは提供されているんだよ。」

さしあたっては、ヨーロッパのジェラート愛好家はGelato Festivalで最高のジェラートを決めるコンテストを追いかけ(投票する)ることができる、この現在このイベントはロンドン、ベルリン、ヴァレンシアで開かれていて最終的には9月4日のフィレンツェで決まる。

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長くて暑い夏、ジェラート太りをおこさないように“健康的に”食べましょう。

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