Accademia Italiana

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唐木 麻美 )

「イタリアン・マフィア①」

 マフィアといえば、シチリアや南イタリアをイメージする人が多いかもしれません。近年は「死都ゴモラ」でナポリのギャング事情が明かされイタリアに一大センセーションを起こし、今年この本のTV化が決定しました。

この本に書かれているように昔からの伝統的マフィアが衰退し、外国人のグループや新しいギャングが闊歩している、という指摘が以前からあります。事実、犯罪組織は国際化する一方、その形態は複雑で簡単に把握することはできません。

さて先ごろミラノ大学からマフィアの“ファミリー”が都会の後背地で繁栄しているというレポートの記事がLa stampa紙に載りました。どのようなものなのか見てみましょう。

『カンパニーレの闇、コスカ(マフィアの下部組織)が北へ、小さな田舎町が狙われる

ミラノ大学レポート;ファミリーは都市周辺の田舎町で繁栄している

人々はclanクラン(本来clanはゲール語で子供あるいは家族を指すが、ここでは都市部で活躍する犯罪組織の名称)は不法取引や闇金融で稼ぐ絶好の機会を求めて北部(ミラノの金融市場などは絶好の的)へ移動すると考える傾向がある、だが実際はマフィアの影響力は田舎の小さなコムーネ(地域共同体)を通じて網の目のように広がっていく。このような小さなコムーネ全体は今やマフィアの真の財源と見なされている。 ンドラゲタ(南イタリア・カラブリア州の犯罪組織)が北部を支配していく様はまるで地球を乗っ取っていくエイリアンが出てくるSF映画の筋書きさながらである。ロージー・ビンディ率いる対組織犯罪から依頼され、ミラノ大学で組織犯罪を研究するチーム(代表ナンド・ダッラ・キエーザ)がトリーノで発表した北部地域に関する最初の3ヶ月間のレポートを見る限り状況は思わしくない。

この調査は司法手続きを経た情報源を基にしている、すなわち押収された資産の調査とナイトクラブなどの娯楽場(テリトリー内の様々な’ndrinaンドゥリーナ(コスカの別名)が集まる)の全体総数を調べること、犯罪数を調べることである。

信頼できる情報筋に依拠した調査であることは言うまでもない。最大級のマフィアはミラノ郊外にあると言われている、次はモンツァ‐ブリアンツァ(同じくミラノ郊外の街)、トリーノ、インペリアと続く。

なぜ小さなコムーネが狙われるのか?という疑問に対してレポートは以下のように答えている:

小さなコムーネというのは特に縄張りを管理する体制が作りやすい、すなわち地域を活気付けることから始まってマフィアが経済を牛耳ることができ、その結果住民を完全に支配することが可能になる。小さなコムーネ内部で移民を使って、様々な意味での血縁という概念によって強化された同郷の固い絆で結ばれた忠誠心に基づく固い網を広範囲に構築する。

このレポートは統計とデータで溢れている。しかも示唆にんだ歴史の再構築は、事情を良く知らない者にとって大変興味深い。

研究者にとってエイリアン(マフィア)が小さなコムーネを植民地化する過程は興味深いものだ。ヴァレーゼのブグッジャーテ(イタリア北部ロンバルディア州のヴァレーゼ県のコムーネの一つ)は人口3000人だが、戦後のカラブリア人の大ボス、ジャコモ・ツァガーリを迎え入れた。またミラノ近郊のブッチナスコが“北部のプラティ(南イタリアの小さな街、多くの多くの凶悪なギャングの出身地)”になったとき人口1万にも満たなかった。

同じくミラノ近郊のサン・ヴィットーレ・オロナ(人口7000人)ではは“分離主義”を夢見たカルメロ・ノヴェッラを巡って街は炎上し、2008年に悲劇的に殺されるという結末を迎えた。

さらに人口1万のセドゥリアーノ(イタリア北部ロンバルディア州)はマフィアが原因で2013年に解体した最初のコムーネになり、続いて2012年に人口1万2千のトリーノのリヴァローロがマフィアが原因で解体した。

マフィアが小さなコムーネを選ぶことは、例えばボードゲームのリスクで全軍隊を征服するためにカムチャッカ半島からプレイを始めることに似ている。勝利につながる戦略的な最初の一撃:軍隊や警察が不在あるいは脆弱である場合、マスコミや政治から小さなコムーネに割り当てられた権益を求めて犯罪を守る闇の手が伸びてくる。

最終的に小さなコムーネでは地方政治に入り込むことことにさしたる努力は要らない。

北部ではロンバルディア州だけが他と異なり、最近の司法調査でマフィアの組織にどんどん浸透する制度と政治、そして共謀と血の掟を伴うことが多い活動の実態が分かった。

ピエモンテは一般のマフィア現象からかなり違った様子であるとはいえ、北部の他の州と同様にマフィアが最も深く入り込んでいるところである。』

別紙の記事によると、世代交代した最新のマフィアは映画ゴッドファーザーのイメージとは全く違って、 子供ですら容赦ない非常に冷酷で、血と暴力が唯一の掟であると書かれています。彼らは古い世代のマフィアの掟すら容赦なく壊す、大変暴力的な存在だということです。かつてのマフィアが可愛く思えるほど殺伐とした現在のマフィア、彼らはどこに行くのでしょうか?

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